
〔連載〕有田焼で魅せる 素敵なテーブルコーディネートのためのテクニック お気に入りの器を持っていても、それだけでは完成しないのがテーブルコーディネート。色の合わせ方、素材の選び方、テーブルクロスの使い方……。食空間プロデューサー/テーブルスタイリストの山野舞由未(やまの・まゆみ)さんに、有田焼との組み合わせを基本に、今日から役立つ素敵なテクニックを教わります。前回の記事はこちら→
テーブルコーディネートには、「異素材」との組み合わせが欠かせません。今回は、有田焼と相性がよく、なおかつ新鮮な印象をもたらす異素材アイテムを厳選して紹介します。
「有田焼=和食器」という思い込みを解き放って、フランスのリネン、クリスタルグラス、イギリスのアンティークシルバー、博多曲物など、自由な発想で組み合わせると、見たこともない有田焼の表情が見えてきます。

食卓の印象が重くなりがちな磁器と合わせる「異素材」として、最もおすすめなのはクリスタルグラス。繊細にして華やかなグラスは、和食器のコーディネートに優美さを添えます。

イギリスではテーブルクロスを敷かず、テーブルのマホガニーの質感を生かすのとは対照的に、フランス式のテーブルセッティングは必ずテーブルクロスを敷きます。同じテーブルクロスで食卓を囲むことは「平等である」ことを意味しています。最も格が高いリネンは、白の麻のダマスク織。硬質な焼き物を柔らかく縁取る効果もあります。

フルコースのおもてなしはハードルが高くても、紅茶と菓子と果物なら気軽に友達をお招きできます。柿右衛門のティーセットに、イギリスアンティークのメロンシェイプのティーポットを合わせました。クリスタルグラスや曲物(まげもの)などの異素材も取り入れて軽やかに。

有田焼と相性のよい伝統工芸品として「博多曲物」があります。写真は「通い盆」。片口とぐい呑みと合わせて晩酌の設えを。曲物は、料理を直接のせても素敵です。

アクリルの折敷(おしき)は器をより引き立てたり、水面を覗くガラスのような役割をしたり、モダンに見せる効果があります。他のアイテムをカジュアルにしすぎないことと、モダンな有田焼に合わせることを心がけましょう。
※次回は、テーブルクロスの活用術をご紹介します。
山野舞由未(やまの・まゆみ)

『名窯を巡る、季節を飾る 有田焼で楽しむテーブルコーディネート』
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※この記事は、山野舞由未著『名窯を巡る、季節を飾る 有田焼で楽しむテーブルコーディネート』を再構成しています。
撮影/松隈直樹 大見謝星斗(人物)