〔特集〕現地特別取材・インテリアの新潮流を探る 2025ミラノデザインウィーク探訪 ミラノサローネとは、「ミラノサローネ国際家具見本市」のこと。この6日間の家具の見本市が、ミラノ市内のデザインイベント「フォーリサローネ(サローネの外)」の活動を促し、この2つを総称して「ミラノデザインウィーク」と呼ばれる“世界最高峰のデザインの祭典”を生み出すことになりました。デザイン界において、ミラノは、創造性とアイディアのプラットホームであり、世界へのゲートウェイ。「デザインの首都」で、インテリアの新潮流を探りました。
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【Flexform(フレックスフォルム)】
実力派の日本人デザイナー、柴田文江の新展開
クラフツマンシップとデザインを融合させ、伝統と革新の揺るぎない結びつきを掲げるフレックスフォルム。
昨年初めて日本人デザイナー柴田文江さんがデザインしたアームチェア「エリ」を、今年は回転式モデルとオットマン、新たにダイニングテーブル「エン」を発表しました。
新発表された「エリ」の回転式モデルとオットマンの横に立つデザイナー柴田文江さん。
Fumie Shibata(柴田文江)プロダクトデザイナー。エル・デコインターナショナルデザインアワード照明部門グランプリ受賞、Red Dot Award Best of the Best、iF Design Award金賞、毎日デザイン賞、グッドデザイン賞金賞などの受賞歴がある。多摩美術大学教授。
柴田さんが発表した新作「エン」。
シンプルさを追求すると強い印象になりがちなデザインも、素材、技術、そしてデザインの融合によって、上品で落ち着いたダイニングシーンを実現します。
「ここイタリアにしかないものづくりがあります。彼らのものづくりに触れるとき、デザインを始めたばかりの頃に感じた新鮮な気持ちが甦ります。昨年の発表を経て、また新たなスタートを切ったように感じています」とデザイナーの柴田さんは語ります。
アウトドア家具のコレクションは、通常非公開のミラノ市内のサンタンジェロ教会に併設されている回廊にて展示が行われた。ミラノの建築界の巨匠、ジョヴァンニ・ムツィオによる歴史的な建築はフレックスフォルムのデザイン理念と深く共鳴し、緑豊かな植栽と共に計算された造形物とのバランスが心地よい空間を生み出している。
時代を超えて愛されるエレガンスを体現するフレックスフォルム。その理念に寄り添うデザインに、ますます期待が高まります。
アントニオ・チッテリオが手がけた「ラウンジエスケープ」は住空間の風景を形作る視点でデザインされている。
フレックスフォルムhttps://www.flexform.jp(次回へ続く。
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取材協力:ミラノサローネ国際家具見本市
https://www.milanosalone.com/