〔特集〕現地特別取材・インテリアの新潮流を探る 2025ミラノデザインウィーク探訪 ミラノサローネとは、「ミラノサローネ国際家具見本市」のこと。この6日間の家具の見本市が、ミラノ市内のデザインイベント「フォーリサローネ(サローネの外)」の活動を促し、この2つを総称して「ミラノデザインウィーク」と呼ばれる“世界最高峰のデザインの祭典”を生み出すことになりました。デザイン界において、ミラノは、創造性とアイディアのプラットホームであり、世界へのゲートウェイ。「デザインの首都」で、インテリアの新潮流を探りました。
前回の記事はこちら>>・
特集「2025ミラノデザインウィーク」の記事一覧はこちら>>>
【edra(エドラ)】
トスカーナ発、アートピースとしての家具
1987年、トスカーナで生まれたラグジュアリー家具ブランド、エドラ。トスカーナの文化的背景を生かした、独創的な発想、芸術的デザイン、手工芸的な高い技術力で、アートピースのよう、かつアイコニックな家具を製作し、高い評価を得ています。
家具のハイブランドが集まるミラノの中心地、ドゥリーニ通りの18世紀の歴史的建造物を生かしたショールームの中庭。「タイムレスに美しい空間とプロダクトが同じ価値で存在しうることが大事」
「私たちの家具を持って幸せだと思ってもらえることが大事」
─モニカ・マッツェイ(副社長・デザイナー)
「私たちが大切にしていることは、常にイノベーティブであること。そして作っているものにアイデンティティがあること。時代を超えて、いつ見ても新しく美しいタイムレスなものを作ること」とブランドの哲学を語る副社長兼デザイナーのモニカ・マッツェイさん。
エドラのアイコン的家具「パック」にて。流氷の上に寝そべっているクマが背もたれというデザイン。内装はミラー張りでどこにいるのか分からない不思議な感覚に。
その精神を象徴する作品は、モニカさんが鉱石からインスピレーションを得て糸から開発したというファブリック。流通しているものではなく、長い時間をかけて素材そのものにアイデンティティを持たせる手法がエドラの流儀。
鉱石からインスピレーションを得てモニカさんが開発したファブリック「GEMS」の見本。「鉱石の深み、色合い、輝きを生地にしたいと思いました」。
揺るぎないものづくりへの探求心と確固たるアイデンティティを持って、時代を超越したアートピースのような家具を創造しています。
モニカ副社長がデザインした鉱石をイメージして開発したファブリックを使ったソファ。左は、すべて手作業で作られたポリカーボネイト製のチェア「マルゲリータ」。
リビングハウスhttps://www.livinghouse.co.jp/edra/(次回へ続く。
この特集の一覧>>)
取材協力:ミラノサローネ国際家具見本市
https://www.milanosalone.com/