〔特集〕現地特別取材・インテリアの新潮流を探る 2025ミラノデザインウィーク探訪 ミラノサローネとは、「ミラノサローネ国際家具見本市」のこと。この6日間の家具の見本市が、ミラノ市内のデザインイベント「フォーリサローネ(サローネの外)」の活動を促し、この2つを総称して「ミラノデザインウィーク」と呼ばれる“世界最高峰のデザインの祭典”を生み出すことになりました。デザイン界において、ミラノは、創造性とアイディアのプラットホームであり、世界へのゲートウェイ。「デザインの首都」で、インテリアの新潮流を探りました。
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【Minotti(ミノッティ)】
“ミッドセンチュリー”を主題にしたフィエラ会場最大規模展示(スタンド)
2人の気鋭デザイナー、ハンネス・ピールとジャンピエロ・タリアフェッリを起用し、1960~70年代回帰を打ち出した昨年に続き、今年は、“カリフォルニアのミッドセンチュリー・モダン”を基調とする展示を展開。
1960~70年代のカリフォルニアン・ミッドセンチュリーを基調にしたジャンピエロ・タリアフェッリの新作空間。クラシックなフォルムを現代的な視点で再解釈し、ヴィンテージの魅力と現代的な機能性を両立させたという。包み込むようなフォルムと人間工学に基づいた曲線を描くシーティングシステム「クーペ」は、ユニークなダブル傾斜が特徴。
タンガニカウッドやブークレ生地など、どこか懐かしい素材が使われ、ヴィンテージ感漂う回帰志向とモダンさを融合させる新潮流のさらなる深化を打ち出す内容となりました。
同じくタリアフェッリのデザインによるふっくらとしたフォルムが愛らしいチェア「リブラ」。
今年は、5人のデザイナーによるシーティングシステムが発表され、多様性を感じさせる盛りだくさんな内容。
今年のミノッティ・パビリオンで、一番華やぎを放った建築家マルシオ・コーガンの「ペジェ」を配した吹き抜け空間。オスカー・ニーマイヤーの「宇宙は曲線でできている」という言葉に触発され、曲線美を追求したものだという。
すでにミノッティの主要デザイナーの風格漂うミラノ在住の建築家、ハンネス・ピールは、時代を超越したクラシックな優雅さ、美学を備えた王道的新作シーティングシステム「ライリー」を発表。
「抑制と自由な表現、厳格さと気楽さ、永続性と流動性の間で調和がとれた、大胆で汎用性の高いデザイン」との自己評価。
2025年の新作シーティングシステム「ライリー」に腰掛ける建築家ハンネス・ピール。モジュラータイプで組み合わせがしやすく、ステッチの面白さや手触りや感触など、細部まで自分のデザイン哲学が反映されているという。タンガニカウッドに合わせた茶系が今年の展示のキーカラー。
HANNES PEER(ハンネス・ピール)ミラノ工科大学とベルリン工科大学で学び、2009年ミラノにスタジオ設立。彫刻的でディテールにこだわったデザインが持ち味。2024年からミノッティとのコラボレーションを開始。イヴ・モジュラーシーティングシステムでミノッティ・デビュー。
「連綿と続くタイムレスなデザイン─それがサステナビリティに通じる」
─ハンネス・ピール(建築家)
「デザインは、今日、明日のものではなく、この先もずっと続いていくものでなければならない。ル・コルビュジエやミース・ファン・デル・ローエのデザインは100年前のものだが、今でも新しいのと同じように、私は連綿と続いていくものをデザインしたい。それがサステナビリティに繫がるし、一過性の流行ではなくタイムレスなクオリティを誇る名門ブランド、ミノッティの役割だと思う」
日本のデザインオフィス「nendo」による4人掛けソファ「サキ」。「咲く」から命名。花の蕾に着想を得た椅子シリーズの一つ。曲線的なシルエットと、大きなシートが特徴。
ミノッティ
https://www.minotti.com/jp
(次回へ続く。
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取材協力:ミラノサローネ国際家具見本市
https://www.milanosalone.com/