〔特集〕現地特別取材・インテリアの新潮流を探る 2025ミラノデザインウィーク探訪 ミラノサローネとは、「ミラノサローネ国際家具見本市」のこと。この6日間の家具の見本市が、ミラノ市内のデザインイベント「フォーリサローネ(サローネの外)」の活動を促し、この2つを総称して「ミラノデザインウィーク」と呼ばれる“世界最高峰のデザインの祭典”を生み出すことになりました。デザイン界において、ミラノは、創造性とアイディアのプラットホームであり、世界へのゲートウェイ。「デザインの首都」で、インテリアの新潮流を探りました。
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光をテーマにした文化プログラムで華やぐ ──
芸術文化都市を舞台にする世界最高峰のデザインの祭典
世界最高峰の家具の見本市、2025年ミラノサローネ国際家具見本市は、2025年4月8日~13日の期間、ロー・フィエラミラノにて開催。世界37か国から2103の出展、来場者数30万人を記録し、盛況のうちに幕を閉じました。
ミラノサローネ会場のロー・フィエラミラノ。(Photo/©Diego Ravier)
2025年のミラノサローネを特徴づけたのは、併催文化プログラムの充実です。
それは長い歴史、豊かな芸術文化を育むミラノという文化都市としての基盤があってこそのミラノサローネであり、それがコンテンポラリーな家具や照明のデザインに繫がるという考え方が根底にあるから。
ミラノサローネの前夜祭はロバート・ウィルソン演出によるスカラ座でのオペラ公演。
(Photo/©Diego Ravier)
「イノベーションへの懸け橋として未来についての新たな思考を刺激するために、ますます先見性のある文化プログラムを立ち上げることに力を注いでいます」と2021年以降ミラノサローネ代表を務めるマリア・ポッロさん。トップが陣頭指揮をとり、情熱を持って精力的に文化プログラムの強化を推し進めています。
前夜祭に訪れた(右から)マリア・ポッロ代表、イタリア家具工業連盟会長クラウディオ・フェルトリン氏、ミラノ市長ジュゼッペ・サラ夫妻。(Photo/©Ruggiero Scardigno)
なかでもミラノで最も権威のある2つの施設と共同で実現したサイトスぺシフィックなインスタレーションがミラノの衆目を集めました。
その一つ、スフォルツェスコ城ロンダニーニのピエタ美術館で開催された「マザー」展は、米国人演出家ロバート・ウィルソンによる光と音の演出により、ミケランジェロの未完の彫刻と対話するインスタレーション。
スフォルツェスコ城ロンダニーニのピエタ美術館で開催された「マザー」展会場。米国人演出家ロバート・ウィルソンによる光と音楽の演出のもと、ミケランジェロの未完の遺作と向き合う、ミラノ市文化局とのコラボレーション企画。(Photo/©Lucie Jansch)
会期中は、光の演出に加え、生演奏が披露された。(Photo/©Lucie Jansch)
スフォルツェスコ城。右側の城壁内にロンダニーニのピエタ美術館がある。
もう一つがブレラ美術館のコルティーレ・ドノーレ(名誉の中庭)で行われた英国人アーティスト、エス・デヴリンによる「光のライブラリー」。知識の価値に賛美を贈ったプログラムです。
「光のライブラリー(Library of Light)」展
ブレラ美術館のコルティーレ・ドノーレ(名誉の中庭)で行われたミラノサローネの併催文化プログラム「光のライブラリー」。会期中9万5300人が訪れた。英国人アーティスト、エス・デヴリンによる3000 冊の書棚で構成された直径18メートルの「知の道標」といえる彫刻はゆっくりと回転し、日時計のよう。ブレラ美術館に併設されているブライデンセ国立図書館の高い書棚にインスピレーションを得て、造られたもの。
日没後、ライトアップの演出が施されたブレラ美術館のコルティーレ・ドノーレ(名誉の中庭)で行われた「光のライブラリー」(Photo/©Monica Spezia)
(Photo/©Monica Spezia)
ともにミラノサローネ隔年開催のエウロルーチェにちなみ光をテーマにしていること、マリア・ポッロ代表がアーティストの選考を含め、深くかかわっている肝入りのプログラムである点が共通しています。
ミラノ市、ロンバルディア州などの行政機関、市内のフォーリサローネが手を取り合い、街全体が一つになって、世界最高峰のデザインの祭典を盛り立てている、ミラネーゼの自信と誇りを感じる華やかな祭典でした。
ミラノサローネのランドマークとして2025年4月1日~13日にスカラ座広場に設けられた「デザイン・キオスク」
(次回へ続く。
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取材協力:ミラノサローネ国際家具見本市
https://www.milanosalone.com/