この度のミャンマー中部で発生した大地震により被災されたかたがたに、心よりお見舞い申し上げます。
ルボンボン優子さんと懐かしく、美しい古都へ「タイ・チェンマイ」工芸と美味を訪ねて 第10回 バンコクから北へ、飛行機で1時間余。「北方のバラ」とも呼ばれるチェンマイは13世紀末に興ったランナー王国の首都として栄えた古都です。ミャンマーやラオスと国境を長く接し、中国にも近いため、さまざまな文化が流入し、独自の工芸や食文化を生み出しました。2024年のバンコクに続き、ルボンボン優子さんとともに、チェンマイの魅力を探る旅に出ました。
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ルボンボン優子さんの自宅にて
チェンマイの旅の思い出をテーブルに託して

チェンマイの旅の思い出を取り入れたお茶の時間のセッティング。タペストリーにしたのはジム トンプソンで出合ったシノワズリな布地。漆のヴィンテージ ティーボックス、イギリスのアンティークシルバーのティーポット、セラドン焼の器、東洋と西洋の垣根を超えて、すべてが美しく響き合っている。
自宅でのティータイムに旅先で出合ったさまざまな宝物を取り入れました──ルボンボン優子
チェンマイの旅からバンコク近郊の自宅に戻り、ほっとひと息つくティータイム。旅先の空気感、店主との会話を思い出しながら、優子さんはヴィンテージの漆器や銀器、陶磁器を取り出しました。
「バンコクよりもミャンマー、ラオスの国境に近く、中国にも近いチェンマイは、昔から他国からの人の往来も多く、周辺の国の文化の影響を受けています。そうした要素がミックスしているのが、チェンマイの工芸品の魅力だと感じます」と優子さん。
本体にはお菓子を盛った器を入れ、蓋は裏返してポットやカップを収納。中蓋はグラスや取り皿を置くトレーに。
テーブルの主役は円筒形をした漆のヴィンテージ ティーボックス。70~80年ほど前にミャンマーで作られたもので、今ではコレクターもいる稀少なアイテムになっています。
「バーン セラドン」にオーダーした蓋物には口紅などの化粧品を、ヴィンテージの銀の蓋物にはコインやアクセサリーを入れて。
優子さんはこの漆のボックスに合わせて、シノワズリな柄が美しい布地を壁に飾りました。漆のボックスにはティーポットやカップを入れて、蓋は裏返して落としを入れて花器にしました。「ヴィンテージならではの趣きある佇まいが魅力です」と優子さん。そしてタイでよく目にするセパタクローの籐球がモチーフの蓋物を並べました。チェンマイで見つけた工芸品を主役にした、美しいシノワズリな趣のテーブルが完成しました。
少数民族の布を額装して、唯一無二のアートピースに

モン族の衣装や帽子はチーク材の額に入れ、階段下のスペースの壁に掛けた。イギリスのアンティークのソファと、ヴィヴィッドな色の布の取り合わせを、タイのものでありながら西洋の薫りを併せ持つジム トンプソンで誂えたクッションや布が中和させる。
優子さんはチェンマイに行くと、お気に入りのショップや工房だけでなく市場にも足を運びます。チェンマイ最大の市場、ワローロット市場の近くに、山岳少数民族のモン族の店があり、堆(うずたか)く積まれた布の中から、掘り出し物を探し出すのもまた楽しみと話します。
優子さんの審美眼で選ばれたヴィンテージの布たちは馴染みの額装店に持ち込まれ、一つとして同じものはないアートピースに生まれ変わりました。
「どこか懐しくてノスタルジックな街、チェンマイ。ゆったり流れる時間と、人々の優しい笑顔もこの街の魅力です」とルボンボン優子さん。
「漆のティーボックス、シルバーケース、モン族の布など、ヴィンテージ品には傷みがあるものもありますが、それは長く愛され、使われてきた証でもあると思います。その品と出合ったときの喜び、くぐり抜けてきた歴史に思いを馳せるとき、私にはその姿さえも愛おしく感じられるのです」
自宅で思い出の品を見るたびに、手にするたびに、美しい古都、愛する街、チェンマイへの旅の記憶が甦ります。
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