連載「12か月のフラワーリース」 世田谷区にアトリエを構える「宙花(そらはな)」のフローリスト戸部秀介さんが作る、季節のフラワーリースを毎月紹介します。空間を華やかに彩ってくれるフラワーリースと共に、花のある暮らしを始めましょう。
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4月のリース「母の日に贈るリース」

パステルピンクにくすみ系のピンクを加え、かわいらしさの中に大人っぽさもあるテーブルリースに。大輪のフリンジ咲きカーネーション‘シャララ ピコ’、同じような色合いのリシアンサスとバラ、そしてアクセントにごく淡い紫のスターチスを加えています。直径約20cmのフローラルフォームを使用。
戸部秀介/Shusuke Tobe35歳の時にフローリストへと転身。大手生花店、フランス人フラワーデザイナーの店で経験を積み、2016年に東京都世田谷区の中町に「宙花〜sora hana~」をオープン。リースを得意とし、ワークショップにも力を注ぐ。インスタグラム@sorahana.jp
母の日の食卓を優雅に彩る生花のリース
5月の第2日曜日、今年は11日が母の日です。この1日に贈り花が集中するため、その前にはオーダーも多く、花屋さんはどこも超多忙になります。そこで、私のショップでは毎年4月上旬から、早めに母の日の贈り花の受け付けを始めています。
母の日の贈り花は、スタイルでいえばブーケがいちばん多く、次にフローラルフォーム(吸水スポンジ)を利用したアレンジです。今年は新鮮な印象にしたいと考えている方には、フローラルフォームを使った生花のリースをおすすめします。母の日に家族が集うテーブルに飾ると華やかな雰囲気になり、お母様の顔もより輝くのではないかと思います。
母の日ということで、市場にはさまざまな花色のカーネーションが出回ります。カーネーションはピンクのバリエーションがとても豊富。鮮やかなピンクから大人っぽさを感じさせるくすみ系のピンク、シックな印象のダークなピンクまであり、かわいらしい雰囲気からクールでかっこいいイメージまで表現できます。私は花色の中でピンクがいちばん好きなので、一年でいちばんピンクの花を使える母の日の贈り花の制作を毎年楽しみにしています。
フローラルフォームを使ったリースでも、ドライの場合と同様にきれいに整った形、ちょうどリング型で作ったスイーツのようなイメージに仕上げるのがこだわりです。
美しいラインを描くためにカーネーションのほか、大小のバラやリシアンサス、花と花のすき間を埋めるための小花などを使い、密に花を挿してボリューム感を出すようにしています。生花のリースの場合、高さが低めなので、テーブルの中央に置いても向かい合う人の視線を遮らないのも利点です。今年の母の日ギフトにぜひリースのアレンジを選んでみてください。
濃淡のピンクのカーネーションとバラを使い、メリハリのある表情に仕上げたリースです。淡いピンクは大輪カーネーション‘シャララ ピコ’。少しくすんだ濃いピンクのカーネーションはスプレー咲きの‘モカスイート’。ほかにバラやスターチス、緑色のセダムなどを使っています。直径約20cmのフローラルフォームを使用。

マムやスイートピー、フリージアなど、カーネーションやリシアンサスとは異なる花形を加えて変化を出してみました。マムのピンクはカーネーションにはない透明感があり、花弁の質感の違いもリースの表情を豊かにしてくれます。直径約20cmのフローラルフォームを使用。

ピンクからアプリコット色のグラデーションでリースを作ってみました。ボリューム感のあるダリアやリシアンサスのほかに、ころんとした花形が愛らしいラナンキュラス、淡い緑の花房が繊細なビバーナム・スノーボールを加えました。直径約20cmのフローラルフォームを使用。

白と緑の色合わせで初夏のさわやかな気候を感じさせるリースに。白花はリシアンサス、ラナンキュラス、アルストロメリア、オルレアなど。淡い緑はビバーナム・スノーボールです。直径約20cmのフローラルフォームを使用。