藤野幸信さんが選ぶ「季節の贈り花」 今、この花を贈りたい! 「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが“今贈りたい”おすすめの花をセレクト。その花を使った、新作ブーケ&アレンジメントをさまざまなバリエーションでお届けします。
記事一覧はこちら>>
4月の花「有田のライスフラワー」

ライスフラワー‘マゼンタ’とシャクヤク‘コーラルチャーム’の濃いピンクに、バラの‘ストロベリーモンローウォーク’と‘マロンフォレスト’、スターチス‘レッドオレンジ’、宿根スイートピーなどを合わせたアレンジ。イチゴが大好きな友人へ、イチゴ色の贈り花を。
藤野幸信/Yukinobu Fujino広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「フルール トレモロ」オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を終了後、花の道に進んだ異色の経歴。著書『大切な人への贈り花』も好評。 https://www.fleurs-tremolo.com @fleurstremolo
和歌山県有田郡で生産されるライスフラワーが超魅力的!
粒々のかわいらしい蕾がお米のように見えることからライスフラワー。原産地はオーストラリア北東部で、いわゆるネイティブフラワー(南半球が原産の植物)です。切り花では輸入物が秋から冬をメインに出回りますが、最近、国内でも生産されるようになりました。その数少ない生産農家の一つが、和歌山県有田郡の花農家「株式会社伴右衛門」。1月号でアカシア‘さきがけ’を生産していると紹介した花農家さんです。
初めて伴右衛門さんのライスフラワーを目にした時、輸入物との鮮度の違いに驚きました。もともとライスフラワーは低木で、輸入物は茎が太く、全体的にガチガチと固い印象。ところが伴右衛門さんのものは、枝分かれしてふわっと繊細な印象で、小さな脇芽まで利用できます。
「株式会社伴右衛門」が生産するライスフラワー。右手前=レッド、手前中央=ピンク、左手前=ゴールド、中央奥と右奥=マゼンタ。輸入物と異なる繊細な草姿にもご注目を!
そして、何より衝撃的だったのが花色のバリエーションです。ライスフラワーといえば、白か淡いピンクしかなかったのですが、伴右衛門さんではそれに加え、濃いピンクのマゼンタ、レッド、なんとゴールドの花色があります。この3色は今まで見たことがなく、とくにレッドとゴールドは生産が難しいため、流通量が少ないレアな花色です。よく鮮やかな黄色にゴールドという名前が付けられますが、このライスフラワーのゴールドは、光沢があって本当に「ゴールド」なのです。こんな花色がどうやって生まれたのか、と驚きました。
伴右衛門さんのライスフラワーが流通するのは4月上旬〜5月上旬の短い期間。それだけにこの時期の贈り花に加えると、希少価値のあるギフトになると思います。もともとそのままドライにできる花なので、花もちはとてもよく、蕾がほころんで小さな白い花が咲いた姿もとても素敵です。もう一つ、ライスフラワーって香りも楽しめるんですよ。それがカレーに使うスパイスのようなよい香りで、その香りも贈り花のアクセントになると思います。
ライスフラワーを使ったブーケ&アレンジメント

お祖母様の誕生日の贈り花。ライスフラワーの‘レッド’と‘ゴールド’に、ちょうどこの時期に出回るスズランを組み合わせた旬のアレンジです。バラの‘ストロベリーモンローウォーク’と‘グリーンアイス’でボリューム感を出し、ミリオグラタスなどをあしらいました。

濃いピンクの‘マゼンタ’より赤みが強い‘レッド’。伴右衛門さん以外では生産されていない花色です。

黄色やオレンジ色のバラの中にライスフラワー‘ゴールド’を加えてブーケを制作しました。奥様のバースデーにご主人からの贈り花です。バラは‘マンゴーリーバ’、‘プルチーノ’、‘シンディライオン’の3種を使用。ほかにアルストロメリア‘エクストリーム’、タラスピオファリム、ビバーナム・スノーボールを合わせました。

ゴールドといっても鮮やかな黄色、または茶色が多いのですが、このゴールドは光の加減で光沢感があるように見え、ブーケやアレンジに加えるとゴージャスな雰囲気が出ます。