
ホールマークは「ライオンパサント」「デートレター」「アセイ・オフィスマーク」「メーカーズマーク」の4つの刻印が基本。一定の期間においては「デューティマーク」も加えられた。英国銀器が今日まで確かな品質を保っているのは、この刻印があるからこそ。
横向きの姿のライオンは、銀の含有率が92.5パーセント以上であることを示す刻印。スタンダードマークとも呼ばれる。
製作年。アルファベット1字を大小、ブロック体や飾り文字などさまざまな意匠で表示。1478年から製作年を特定可能。
産地の刻印。英国には11都市にアセイ・オフィス(試金評価機関)が置かれ、どこで認証されたのか判別ができる。王冠はシェフィールド、いかりはバーミンガム、ライオンの顔はロンドンを意味する。
製作した工房を示すもの。工房の略称をアルファベットで刻印。写真は時代を牽引した2社。MN&WBは、1775年にシェフィールドで創業したマッピン&ウェブ社。E&Coは、1830年代にバーミンガムで創業したエルキントン社。
戦費調達などを理由に1784~1890年まで徴税が行われ、納税の証として国王の横顔が刻印。右はジョージ3世、左はヴィクトリア女王。
表出した茶色の膜を落とし、輝きを保つ方法を紹介します。この記事の掲載号
撮影/大泉省吾