• TOP
  • インテリア
  • 人気の器作家・菅野一美さんの工房へ。自在な表現で、“楽しんで使える”器を

インテリア

人気の器作家・菅野一美さんの工房へ。自在な表現で、“楽しんで使える”器を

2022.11.11

  • facebook
  • line
  • twitter

人気の器作家の工房を訪ねて 第4回(全6回) 今人気を集めるのは、作り手の感性が発揮された個性的な器です。今回の器セレクトの基準は“愛らしさ”。陶磁、ガラス、竹。異なる素材に向き合う4人の作家の工房を訪ねて、創作にかける想いを伺いました。前回の記事はこちら>>

菅野一美さん


陶 菅野一美さん

中国・磁州窯の器を範にしながらも愛らしいモノトーンの器


仙台でのサラリーマン時代、たまたま参加した焼き物のイベントで、土の感触がしっくりなじんだことがきっかけで転職を決意。瀬戸の窯業学校で学び、赤絵の黒岩卓実さんに師事。たたらの技術を習得し、独立後は問屋仕事をしながら、地元の焼き物である織部を制作。磁州窯との出会いは5年ほど前のことでした。

「白と黒が衝撃的で、“これだ!”、この表現で器を作りたい」と新たな一歩を踏み出しました。


陶 菅野一美さん

「花文箸置き」から時計回りに、「牡丹つなぎ文8寸皿」、「鳥文木瓜形豆皿」、「鳥文輪花小鉢」、「動物文長角プレート」、「花・鳥文花弁形小鉢」、「鳥文大鉢」、「菊文8寸プレート」、「牡丹唐草文花弁形小鉢」。

それまで美濃で作陶する中で、織部に縛られていたと反省。磁州窯との出会いによって、中国、ペルシャ、古伊万里へと視野が広がり、同時に、器の形も自由になっていきました。

「轆轤(ろくろ)を使わずに表現する形の自在さも師匠の教えです。丸ばかりでは食卓が単調になるので、楽しんで使ってもらえる形を模索しています」

陶 菅野一美さん
中国・磁州窯の掻き落としには、富貴を象徴する牡丹文が多く描かれ、北宋時代に制作された牡丹折枝文梅瓶(めいぴん)(重要文化財)が永青文庫に所蔵される。菅野さんの牡丹文は葉脈や花弁に線刻が施されている。丸まった枝ぶりが軽妙な味わい。

掻き落としは、織部に比べて制作時間がかかります。赤土で作った形を素焼きして白化粧がけ。再び窯で焼き、絵具(えぐ)で絵を描いてからフリーハンドの掻き落としでディテールを表現しますが、掻き落としだけで器一つに30分以上かかるといいます。「大変ではあるけれど、焼き物の道に進んでよかったと思います」。

下のフォトギャラリーで詳しくご紹介します。

菅野一美さん(かんの・かつみ)

愛知県瀬戸市生まれ。1996年、大学卒業後仙台で会社員に。2000年、愛知県立窯業高等技術専門学校卒業。岐阜県多治見市在住の陶芸家・黒岩卓実さんのもとで、3年間作陶を学ぶ。03年、独立し、開窯。当時は織部を制作。16年頃、中国の磁州窯の器に出会い、心機一転、掻き落としによるモノトーンの制作を決意。
最新情報はインスタグラム@kanno_katsumiにて。

展覧会のご案内

●2022年12月1日~6日 うつわ謙心(酒器展)
東京都渋谷区渋谷2-3-4 2階 TEL:03(6427)9282

●2023年6月7日~12日 うつわ楓
東京都港区南青山4-17-1 1階 TEL:03(3402)8110
取扱は上記2軒に加え、「水道ギャラリー」(東京)、「pivert」(熊本)ほか。





〔特集〕人気の器作家の工房を訪ねて



01 ガラス 西山 雪さん(1)

02 ガラス 西山 雪さん(2)

03 陶 菅野一美さん(1)

04 陶 菅野一美さん(2)





この特集の掲載号
『家庭画報』2022年11月号



『家庭画報』2022年11月号


撮影/本誌・西山 航 取材・文/片柳草生
『家庭画報』2022年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
  • facebook
  • line
  • twitter

12星座占い今日のわたし

全体ランキング&仕事、お金、愛情…
今日のあなたの運勢は?

2024 / 03 / 29

他の星座を見る

12星座占い今日のわたし

全体ランキング&仕事、お金、愛情…
今日のあなたの運勢は?

2024 / 03 / 29

他の星座を見る

Keyword

注目キーワード

Pick up

注目記事