伝統工芸
2020/03/13
“静寂”を味わえる、とっておきの場所へ「秘密の京都」 第12回(最終回) 多くの観光客で賑わう街の喧騒から逃れ、静かに、心豊かに古都の魅力を堪能できる。そんなとっておきの場所が、京都にはまだたくさんあります。非公開の寺院で特別な体験をし、地元のかたが愛する名店の味に舌鼓を打ち、美の新名所で心を潤す……。この春、“秘密の京都”があなたの訪れを待っています。前回の記事はこちら>>
2020年4月11日まで開催中の『COLORTAGE』は、「Color(色)」と「Heritage(継承・伝統)」からなる造語。西陣織に今までなかったヨーロッパの配色の概念を取り入れた、約30種の新作を展示中。
西陣織の老舗「細尾」が、和装にとどまらない、テキスタイルとしての西陣織の可能性を提案するギャラリーをオープンしました。
京都近郊の寺院や山から採取した4種類の土で、版築(はんちく)という伝統工法により壁を築いた館内は、まさに静謐。
新作のテキスタイルを家具に仕立てた展示。オリジナルの家具や小物類はすべて撥水加工が施され、またテーブルは最新技術により完全防水。日常生活の使用にも美しさを保つ工夫がされている。
“時”をテーマにした内装には西陣織の壁紙や、経年変化を楽しめる黒漆喰など職人の手仕事が随所に取り入れられ、建物そのものに伝統美を感じます。
ギャラリーは2階にあり、年に数回、織物にちなんだ展覧会を行います。現在開催中の『COLORTAGE(カラーテイジ)』は、オランダ人女性デザイナーのメイ・エンゲルギール氏とのコラボレーション作品を展示。
メイ氏が京都に滞在し、自然と歴史を体感しながら工房の職人と協働して生み出したテキスタイルは、従来の和装用には使用しない鮮やかな色使いや、海外の感性と歴史ある西陣織の技術の融合を楽しめます。
今回の新作は裏地も美しいことから、表と裏を両方見られる展示となっている。展示されたテキスタイルを選び、家具に仕立てることが可能。
テキスタイル単体でも美しいですが、それを用いた家具の展示もあり、織の未来に気づかされます。なお家具はオーダーメイドが可能です。
1階のストアではポーチ(1万5000円~)やクッション、ルームシューズなどを販売。
ラウンジではきものの“かさねの色目”をテーマにしたマカロン(1個400円)や抹茶(1200円)などが楽しめる。
1階にはオリジナルの家具を配したラウンジやストアがあり、伝統の織物の美を日常に取り入れるヒントに出会えます。
HOSOO GALLERY
住所:京都市中京区両替町通姉小路下ル柿本町412 HOSOO FLAGSHIP STORE2階
TEL:075(221)8888
営業時間:10時30分~18時(入場は閉館の15分前まで)
定休日:日曜・祝日
URL:http://www.hosoo.co.jp/
※入場無料
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表示価格はすべて税抜きです。
撮影/鍋島徳恭
※宿泊には別途宿泊税がかかる場合があります。料金には別途、消費税やサービス料がかかることがあります。美術館の入館料は税込み価格です。表示されている宿泊料金はシーズンの最低料金です。料理は状況によって、一部メニューや食材、盛り付けが異なる場合があります。
『家庭画報』2020年3月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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