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伝統工芸

軽く、持ちやすく、ご飯の量が一目でわかる。日々の食卓を彩る漆器の飯椀

2023.02.22

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伝統工芸の美しい手業をテーブルに 漆器と豊かに暮らす 第6回(全11回) 2022年9月に開催された第57回「全国漆器展」。美術工芸品部門、産業工芸品部門の2部門に、全国の漆器産地から数多くの力作が出品されました。各産地では古来の技法を大切に守りつつ、現代の暮らしにフィットする新しい器を生み出しています。この年に新設された「家庭画報賞」を含めた入賞作品を中心に、日々の暮らしを豊かにしてくれる漆の器を紹介します。前回の記事はこちら>>

漆器の作り手の工房を訪ねて


日本各地の漆器産地には、それぞれ特有の技法が今に受け継がれ、その土地柄が表れた漆器が作られています。津軽、輪島、高岡、山中、木曽、香川へ、全国漆器展入賞作品の作り手の工房を訪ねて、漆の器作りに懸ける思いを伺います。

【日本漆器協同組合連合会理事長賞】
ご飯の量が一目でわかる軽くて持ちやすい飯椀
龍門堂(木曽漆器)


中山道沿い、ヒノキの産地として木材の流通も盛んだったことから、江戸時代から発展してきた木曽漆器。明治40年創業の「龍門堂」は、問屋として各地の漆器の販売を行いながら、工房でオリジナルの漆器も制作します。


龍門堂(木曽漆器)

国産ハンノキ飯椀
3色、2サイズ展開。左2点と中央は大サイズ(径14.5×高さ6センチ)。左上からスリ漆(3850円)、溜塗と朱塗(各4950円)。右3点は小サイズ(径12.7×高さ5.5センチ)。上から溜塗と朱塗(各4400円)、スリ漆(3300円)。


漆器といえば汁椀を想像する人が多い中で、先代の社長が目をつけたのが“飯椀”でした。

現代表の手塚 均さんは「木製の飯椀は、一般的な陶磁器の飯碗よりも軽量です。熱を通しにくいので持ちやすく、お米がつきにくいという利点もあります」と話します。

木地に使っているハンノキはそれまでなじみがありませんでしたが、軽くて柔らかいという特徴を生かして波形に削り出し、ご飯の量を調整しやすい形に。指にもかかりやすく、子どものご飯茶椀にもおすすめです。

龍門堂(木曽漆器)

塗師の長谷川さんは、娘さんの髪で作られた刷毛を使い手際よく漆を塗り広げる。

生活のための漆器を作ってきた木曽漆器らしく、塗りだけで仕上げられているシンプルさも魅力。

「谷のところに漆が溜まるので、何度も薄く塗り重ねる必要があります」と話すのは塗師の長谷川廣永さん。艶やかな美しい塗りに、職人の確かな技術を感じることができます。

龍門堂(木曽漆器)

代表取締役の手塚 均さん。龍門堂は1907年、前身「手塚瀧三郎商店」として創業。1990年、平成の即位礼の式典用品、旗竿などを制作納入。現在、埼玉と福岡にも支店を構える。

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龍門堂(木曽漆器)

手前は取っ手がないのが特徴の「ケヤキ コーヒーカップセット」(カップ径7.2センチ)。左は洗朱7700円。右は黒スリ6600円。奥は新作の「栃 パスタ皿(小)」(径21センチ)。左は黒、右は朱でどちらも6600円。

龍門堂(りゅうもんどう)
長野県塩尻市贄川2400
TEL:0264(34)3211
表示価格はすべて税込みです。 撮影/大泉省吾 取材協力/日本漆器協同組合連合会
『家庭画報』2023年3月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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