人生を豊かにする猫のいる暮らし そばにいるだけで心を満たし、日々小さな幸せを運んでくれる“猫”という存在。一緒に暮らす楽しみや、猫モチーフを愛でるひとときなど、それぞれの「猫が好き」を集めた、猫愛に溢れる特集をお届けします。
能登半島地震の後、スーパーマーケットで現地ボランティアに保護された、兄弟猫。体重も増えて元気になった。
命を守る保護猫活動の現場から“里親”という選択
会場には、猫が入ったケージがずらり。中にはきょうだいの子猫や成猫が、つぶらな瞳を向けていたり、眠っていたり。訪ねたのは、東京・高円寺を拠点に活動する猫の保護団体「高円寺ニャンダラーズ」の里親会です。この日も新しい家族との出会いを待つ、精一杯おめかしした猫たちが集い、保護猫と人を繫ぐ時間が流れていました。
代表の佐藤洋平さんいわく「近年、保護猫を迎えるという選択肢は広がっています。一方で、高齢者が飼えなくなったケースや多頭飼育崩壊など、人の暮らしに起因する相談も増えています。猫の問題は、人の問題とも深くかかわっていると感じます」。そこで、行政や獣医師、地域住民とも連携しながら、一匹ずつ命を繫いでいるのです。
保護猫を迎えたいと思ったら、まずは地域の譲渡会へ足を運び、猫の様子や団体の活動を見ることが第一歩。譲渡の条件を細かく決めている団体ほど熱心だと佐藤さんは話します。「焦って決める必要はありません。この子だと思える出会いを大切に、迎える準備もしっかり整えてほしいですね」。
“猫の里親になる”という選択は、小さな命と向き合う大切なきっかけでもあるのです。

2011年、東日本大震災を機に結成された「高円寺ニャンダラーズ」。被災地に取り残された猫の保護から活動を開始。現在も奥能登などで獣医師や現地ボランティアと協力し、不妊去勢手術活動や保護活動を続けている。所属する約18名のメンバーは全員がボランティア。東京・杉並区内で定期的に里親会を開催している。
高円寺ニャンダラーズ被災地支援をはじめ、猫の保護や捜索、保護猫の譲渡に取り組む非営利の動物ボランティア団体。写真は代表の佐藤洋平さん。
お問い合わせ info@nyandollars.org
保護から里親に譲渡されるまで
(1)保護
(2)診察保護した猫は、まず地元で開業する顧問獣医師のもとで、健康状態を確認。必要な治療や不妊去勢手術、各種検査を行い、感染症の有無などを見極めたうえで次のステップへ進む。
(3)シェルター
(4)預かりボランティア宅医療ケアを終えた猫は、保護施設(シェルター)や預かりボランティア宅で過ごし、人との暮らしに少しずつ慣れていく。ケージでの生活や体調管理を続けながら、里親会への参加を目指すことに。
(5)里親会
(6)申し込み・トライアル里親会に参加した猫は、希望者との面談や自宅訪問を経て、飼育環境が整った後に約1か月のトライアルへ。猫と里親双方が安心して暮らせる状態であることを確認し、正式譲渡となる。
里親会に参加した猫ちゃんたち

廃業ブリーダーから緊急保護された杉玉くんは、3歳のロシアンブルー。人慣れ抜群。

能登半島地震で被災した猫から生まれ、飛行機で上京したすぎくん。抱っこが大好き。

左から、能登からやってきた遊び好きのおおのちゃんと、杉並区で保護された白黒猫のチクチクくん。

左から、ミニーちゃんとスモールくんとビックくん。里親会で申し込みが入り、3兄妹揃ってトライアルを目指すことに。
今を生きる、小さな命の物語
長年、犬猫の保護活動に携わってきた著者のtamtamさんが、自身の経験を通した保護猫たちとの触れ合いをやさしい絵と言葉で綴る『たまさんちのホゴネコ2』(1540円、世界文化社刊)。小さな命から「今を生きる」意味を考えさせられる、愛と感動の実話です。売上の一部は、保護猫の支援活動などを行っている団体に寄付されます。

(次回へ続く。)
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