人生を豊かにする猫のいる暮らし そばにいるだけで心を満たし、日々小さな幸せを運んでくれる“猫”という存在。一緒に暮らす楽しみや、猫モチーフを愛でるひとときなど、それぞれの「猫が好き」を集めた、猫愛に溢れる特集をお届けします。
愛しき存在を唯一無二の作品へ 作家が生み出す“猫”
大切な存在を世界に一つのカタチに変えるアーティスト。猫を見つめ、向き合い、残し続けることへの想いに触れました。
MEBARUさん(羊毛フェルト作家)

小さな“猫”たちが大集合。MEBARUさんは一匹に50時間以上をかけて制作する。
「私が作る猫全部に“めばる”がいるんです」
手のひらにすっぽりと収まる小さな体は、まるで本物の猫のよう。目にした瞬間、思わず笑顔になる“猫”は羊毛フェルト作家のMEBARUさんが手がけます。制作のきっかけは、偶然の出会いから22年間を一緒に暮らした愛猫の存在でした。
手のひらでまどろむ「めばる」。作品の体長はいずれも6~8センチほど。
「帰宅途中に木の上で泣いている猫を見つけて、助けようとしたらそのときは逃げてしまいました。でも翌日、大雨の中からかすかに鳴き声が聞こえて、外を見ると昨日の猫がいました。それが『めばる』です」
自然な毛並は3ミリほどの羊毛の束を一本一本植毛することで生まれる。
食いしん坊でとても手のかかった「めばる」。それでも、MEBARUさんがタンスに足をぶつけると心配して近寄ってきたり、子どもの寝かしつけも一緒にしてくれる、特別な存在でした。
そんな頼りになる「めばる」の姿を残したいと思い、制作を始めた羊毛フェルト。これまで手がけた猫の作品は490匹以上に上ります。「リアルに忠実にというよりも可愛さを追求したい」とMEBARUさん。今後は犬の作品も増やしながら、さらに小さな猫にも挑戦予定です。
MEBARU(めばる)神奈川県在住。猫好き、ミニチュア好き。2017年より独学で羊毛フェルトを学ぶ。著書に『羊毛フェルトで作る てのり猫』(日本ヴォーグ社)などがある。「てのり猫」が作れる動画も販売。現在は黒猫のクロと、めばるにそっくりのアメリカンショートヘアのピノと暮らす。
インスタグラム:
@mebaru_felt_catHAyU小川 学さん (ワイヤーアーティスト)

猫を中心にさまざまなワイヤー作品が並ぶ圧巻のアトリエ。どの作品も虫ピン一つで壁に掛けられるほど軽く、置き場所は自由に変えられる。
「大体はイメージで思うがままに手を動かします」
一本のワイヤーを幾重にも組み合わせて作る動物のオブジェ。美容師と園芸農家での経験に培われた両手から、唯一無二の作品を生み出すのはHAyU小川 学さんです。創作の原点は息子たち。バラの温室ハウスに住み着き、愛猫となったミーをイメージした作品をとても喜んでくれたそう。
足もとでまどろむ猫のオブジェもキュートな逸品。
「たまたま手元にあった園芸用の緑のワイヤーで作り始めました。髪の毛をスタイリングするような感覚で作ってしまうのは美容師の経験からですね」
渾身の一作と語る黒猫のワイヤー作品。

猫の頭部のアートには2、3種類、50本ほどのワイヤーを使用する。
作品を目にした妻・香織さんの後押しでアートフェアに出展すると、その独創的な造形が大きな反響を呼びました。今では、公共施設のディスプレイを手がけるなど、創作の幅は多岐にわたります。「ワイヤー以外の作品作りにも挑戦したいですね」と小川さん。今後の活動にも期待が高まります。
HAyU小川学(はゆ おがわ・まなぶ)茨城県出身。2017年に「青参道アートフェア」で作家デビュー。以来、数々のワイヤー作品を手がける。現在は全国各地で抽選による販売会や個展を開催し、自身の作品を刺繡で表現したグッズも発売。写真は愛猫ミーちゃんとバラの温室ハウスにて。
インスタグラム:
@hayu_animal(次回へ続く。)
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