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動物たちの命を守れ!100パーセント動物本位の医療を目指す「野村獣医科Vセンター」のすべて

2025.04.03

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100パーセント動物本位の医療を目指して
野村獣医科「8つの掟」

ペットとなった動物に幸せな一生を全うさせるのに必要なのは“極上の愛”というのが野村院長の考え方だ。飼い主の愛の強さがペットの運命を決めるのだ。同様に愛なき医療もありえない。動物たちへの愛が野村獣医科のすべての基本にある。

1 説明は丁寧かつオープンに

飼い主が待合スペースに座っていると、野村院長の診察中の言葉が大きく聞こえてくる。診察台と待合スペースに境がないからだ。何事もオープンなのが野村流。だから待っている人は、ほかの人が飼っている動物の病状から治療方針まで一緒に聞くことになる。

左奥が診察台で待合の椅子は手前に並ぶ。オープンなスペースはスタッフ同士の連携もスムーズにしている。

「聞いている飼い主さんは、自分のペットが将来かかるかもしれない病気の予備知識を得ることにもなるんですね」と野村院長。


診察中の野村院長。医療で一番大切なのは見立て。それを飼い主にわかりやすく伝えるのにも技術が必要。

野村院長の説明はいつも丁寧で、そして熱い。やさしい雰囲気で、わかりやすい説明を心がけている。相手の理解度、知識に合わせて説明の仕方を変える柔軟性も「野村先生の説明はわかりやすい」といわれる所以である。

検査用の顕微鏡は手前の接眼レンズで飼い主も同時に見られる構造になっている。

「あと医学用語ばかりをまくし立てないようにしています。しゃべって仕事じゃなくて、わかってもらって仕事です。医学用語を並べ立てて『ハイ終わり!』という獣医師も結構いるんです」

野村院長の説明はたとえ話が巧みだ。ついみんな笑いに誘われてしまう。

外科手術は手先の器用さで勝負。「医者の腕は絵を見ればわかる」と野村院長。飼い主への説明に絵を描くことも多い。

2 ごまかしがきかない手術室

野村獣医科の最も大きな特徴の一つがガラス張りの手術室だ。普通密室で行われる手術を飼い主は外から見ることができる。今何が行われているか、その一部始終を見守るのだ。

ということは、手術にあたる野村院長自身も「見られている」緊張のなかでごまかしのきかない真剣勝負を強いられる。それを院長が自らに課すことで、技術に磨きをかけてきたのである。

ガラス張りの手術室。手術というと血というイメージがあるが、野村院長のスゴ技でほとんど血が出ることはない。

ガラス張りの手術室は、予想外の効果も生み出した。飼い主のほとんどは自分のペットの手術を見ることを希望する。口数の多い飼い主もピリピリした空気の漂う現場を目の当たりにするうちに、じっと腕組みをし、黙り込んでしまうという。我が子を懸命に救おうとする姿に打たれ安堵するのだ。

3 動物ごとに快適な入院環境

病院では入院室を完備しているが、そこにも動物によい環境を提供するためのいくつかの工夫がある。入院するのは、主に犬、猫、フェレット。

猫の入院室。

暖かい部屋を好む猫の入院室は、室温が高めに設定され、外の風景を見て過ごす猫たちのためにケージは窓際に設置されている。犬には大型犬の場合十分な広さの個室がある。さらに屋上のドッグランが同じフロアにある。

明るい入院室のフロア。奥にフェレットのケージが並び、左側には犬用のスペースがある。

屋上のドッグラン。

撮影当日、入院患者はわずかだったが、多い日でも鳴き声はせず、入院室は静かだ。快適な環境下では動物たちは、じっと自らを癒やすのだろう。

サイチョウの “バンダ” は入院室全体の見張り役だ。

4 楽しく、配慮ある空間デザイン

「飾ってある花が造花だと余裕がない感じですよね」と院長。本物しか置かないのが信条なので飾り花は生花だ。正月やクリスマスの飾り付けも欠かさない。

受付の花はすべて和田むつみドクターが自分で育てたもの。

広々とした待合室には犬を歩かせることのできるテラスや、緊張しがちの犬が落ちついて待つことのできる目隠しのあるドッグ・パドックもある。

左の囲いが目隠しのあるドッグ・パドック。

5 掃除、掃除、また掃除

動物の毛一本落ちていないのでは?と思うほどピカピカの床。それもそのはず、床をモップではなく手で拭くスタッフの姿を誰もが頻繁に見る。

「僕が強制しているわけじゃなく、僕が這いつくばって床を拭いているからみんなもやって、こういう伝統になっちゃったんですね」

床の手拭き掃除は5分と置かずに行っているのではないかと思うほど、頻繁に行われる。

6 すべてが見える薬棚

薬を箱ごと保存して使用するのは、実はあまりないことだという。

「普通は薬を全部バラにして引き出しにしまうんです。箱ごとならば間違いようがないし、ほかのスタッフも何の薬を取り出しているか目視で確認できる」

飼い主からも薬の名前が見える棚。箱ごとの薬の整理によって使用期限も間違えることがない。

7 ファッションにこだわる

病院の看護師さんたちの服は野村院長のデザイン。襟や袖口が白になっているのは「汚れやすいところに汚れが目立つ色を持ってきている」ため。ドクターはカタログから好きな白衣を選んでいいことになっている。

紫は野村獣医科のイメージ色。髪を染めるのもネイルも自由。病院の明るい雰囲気に一役買っている。

8 よりよい医療への投資

さぞ儲かっているだろうとささやかれがちな野村獣医科だが、それ以上に最先端医療および機器への投資を惜しまない。めざましい治療成績を上げている再生医療、レーザー治療、先端抗がん治療、それに伴う医療機器など。より新しい治療を提供することで、結果的に患者に還元されているのだ。CTを置いている個人の動物病院も珍しい。

大きいため病院ビルの壁に穴を開けてクレーンで搬入した3D-CT。以前はMRIを置いていた。

再生治療に使う幹細胞は患者の弱っている部分を修復する。培養した細胞の数を手もとのカウンターで1個1個数えて選別する。

撮影/本誌・坂本正行 取材・構成・文/三宅 暁

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