〔特集〕100パーセント動物本位の医療を目指して 動物たちの命を守れ! 野村獣医科Vセンターのすべて 「アニマルQ」の連載で家庭画報本誌でもおなじみの野村獣医科Vセンター院長の野村潤一郎さん。そのストーリーテラーぶりに、一体野村先生って何者なの?と思う読者も多かったようです。そこで今回、野村獣医科を集中取材。そこはまさに「動物本位」の医療の現場でした。
ゴールデンアロワナが迎えてくれる動物医療の砦
東京・中野区の哲学堂公園の近くに病院はある。春には桜並木となる道路沿いのビルだ。
5代目ドーベルマンの愛犬、ビクターと野村潤一郎院長。Vセンタービルの前で。

受付のある2階に上がると、まず目に飛び込んでくるのが、大きな水槽の中で悠々と泳ぐ金色の帯のようなゴールデンアロワナだ。
患者を迎えるゴールデンアロワナ。開業時の水槽にはシルバーアロワナがいた。
金ピカの体でジロリと睨まれる。病院という近代的空間に東南アジアの大自然がある。自然と科学。それが一体となった空間であることの象徴なのだ。
ここを初めて訪れて誰もが驚くのが、動物病院とは思えない清潔な空間と動物臭のなさだ。ワンフロアに受付から診察と待合のスペース、手術室があり、それらすべてが見える。
病院は開業時から変わらず年中無休。現在の診療時間は9時~12時、14時~19時。犬、猫、フェレットに限らず、エキゾチックアニマルの患者も訪れる。写真右上の壁を埋めるカルテが示すように、患者数は軽く数万件を超える。
「動物病院のこういうところが嫌だなって思っていたことを自分が病院をやるにあたって排除したんです。狭い、汚い、臭い、それから従業員が無愛想、無口な院長が大酒飲みで、二人きりの狭い部屋でわけわかんない話を聞かされるとか」と語る野村院長は自ら設計図面を描くなど、空間へのこだわりは強い。
「動物は汚しますが、汚いのは嫌いだし、不潔でも病気が治るとか、そういうのはありえないでしょうというのがあって」
そうだ、この居心地のよさに一瞬動物病院であることを忘れてしまうほどだが、主役は動物たちなのだ。ここは病と医療が鎬(しのぎ)を削る場所であり、あちこちで見放された患者が院長の腕を頼って全国から訪れる「動物たちの最後の砦」なのである。