一陽来復、美しき、新年の幕開け「しあわせ満ちる開運の地へ」 最終回(全13回) 2020年はこれまでにない混迷が世界中を覆い尽くし、見通しのきかない一年となりました。新しい一年は、心機一転、気持ちを一新し、積極的に福をお招きして、縁起よく迎えていただきたい。そんな願いを込めて――開運へと導く場所と、福を呼ぶ暮らしを紹介します。前回の記事はこちら>>
新たな年に幸をもたらす牛
干支飾りを置くと、年の区切りが意識され、新たな気持ちで一年を始めることができます。日本人にとって牛は、神使であると同時に農耕や運搬などの労働力として身近で大切な存在でもありました。そんな親しみを感じさせる可愛い牛たちです。
01.大寺幸八郎商店「福うし」
富山県高岡の伝統的な鋳物技術を礎に作られた銅製の「福うし」。金属の素材感を生かした繊細な仕上がり。小・高さ2.5センチ 各4000円 大・高さ3センチ 各5000円/大寺幸八郎商店 写真/鈴木一彦 スタイリング/横瀬多美保
02.バカラのオーナメント
アメリカでは雄牛は勢いよく上昇するパワーの象徴という意味で好まれているモチーフ。光を受けて金色に輝くオーナメント。高さ9.2センチ 3万9000円/バカラショップ 丸の内
03.ロイヤル コペンハーゲンのフィギュリン
ハンドペイントで毛並みまで細やかに表現された、ゆったりと座る牛のフィギュリン。イヤーアイテムとしてコレクターも多い。高さ8センチ 1万円/ロイヤル コペンハーゲン
04.のごみ人形
終戦の年に、人々の心が潤い明るくなるようにと染色家の鈴田照次が作り始めたのごみ人形。右から、2代目で木版摺更紗の人間国宝、鈴田滋人さんデザインの宝珠うし鈴・高さ10センチ 2500円 鈴田照次デザインの丑鈴・高さ4.5センチ 1150円/のごみ人形工房
05.小幡でこ「俵牛」
滋賀県の小幡でこは、約300年前に京通いの飛脚だった初代・細居安兵衛が伏見人形をまねて作ったのが始まり。「俵牛」は2021年度の年賀郵便切手の絵のモチーフに採用された。小・高さ6センチ 4364円 大・高さ10.5センチ 5819円 /備後屋
06.六原張子「乳ベコ」
岩手県の六原張子の新作は、郷土玩具では珍しい乳牛がモチーフ。ミルクポットを背負って首を振る「乳ベコ」。高さ10.5センチ 3800円/さわはん工房
07.中湯川人形
カラフルでユーモアのある造形が目を引く中湯川人形。浅草育ちの青柳守彦さんが、福島県会津若松市の山奥に移り住み創作している。前後に揺れる「鯰のり牛」・高さ7センチ 3240円 手招きする牛が乗った「だるまのり牛」・高さ11.5センチ 4800円/備後屋
08.浜松張子
徳川幕府の幕臣だった三輪永保が、明治初めに静岡県浜松で江戸風張子を作り始めたのが由来の浜松張子。本体の両側に車輪がつき、転がすと揺れる仕組みの「うしころがし」。高さ8センチ 4000円/備後屋
09.伏見人形
土人形の元祖として民俗的な美を誇る伏見人形の「牛車」。今は1750年頃創業の窯元、丹嘉だけが唯一製作を続けている。高さ11センチ 1万4700円/備後屋
10.三春張子
“でこ屋敷”と呼ばれる人形作りの家が現在も残る福島県郡山市の高柴で、躍動感溢れる伝統の形と技を守る恵比寿屋17代目橋本広司さん作の三春張子「牛のり天神」。高さ23.5センチ 7700円/備後屋
11.高松宮内張子
人間国宝だった宮内フサの孫にあたる太田みき子さんが3代目として作っている高松宮内張子の「寝牛」。讃岐の風土から生まれたおおらかなで温かみのある趣が魅力。高さ7センチ 2000円/民芸福田
12.「おぐら屋」の木彫十二支
鳥取県岩井温泉街に工房を構えるおぐら屋の木彫十二支は、約90年前に木地師の小椋幸治が考案した伝統工芸品。エゴノキをろくろで挽いた部材を接着して作られている。高さ5.3センチ 1600円/備後屋
13.「真工藝」の木版手染めぬいぐるみ
岐阜県飛驒高山に工房を構える真工藝の手作りのぬいぐるみ。素朴な柄は木版手染めによるもの。小・高さ5センチ 990円 大・高さ6センチ 1100円 /真工藝
14.鹿沼きびがら細工
栃木県の名産品だった鹿沼箒を作る技を駆使して編む鹿沼きびがら細工。祖父の技術を受け継ぐ増形早苗さんは、箒草を無農薬栽培する所から製作に取り組んでいる。高さ7センチ 1600円/備後屋
Information
ご紹介した干支飾りのお問い合わせ先
●大寺幸八郎商店
TEL:0766(25)1911
●バカラショップ 丸の内
TEL:03(5223)8868
●ロイヤル コペンハーゲン
TEL:0120-665-827
●のごみ人形工房
TEL:0954(63)4085
●さわはん工房
TEL:0197(43)3397
●真工藝
TEL:0577(32)1750
●備後屋
TEL:03(3202)8778
●民芸福田
TEL:087(821)3237
〔特集〕一陽来復、美しき、新年の幕開け しあわせ満ちる開運の地へ(全13回)
撮影/本誌・坂本正行 取材・文/鈴木博美
『家庭画報』2021年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。