伝統工芸

甲州印伝のクラッチバッグ

伝統工芸の美、再発見 第10回

何かと荷物がかさばる旅先でも、シーンに合わせてお洒落を楽しみたいもの。いろいろとつけ替えたいジュエリーも、持ち運ぶときは気を遣います。今回完成したのは、大切なジュエリーを安全に収納できる、実用性に富んだクラッチバッグです。

クラッチバッグに使われている甲州印伝の文様は伝統的な「輪繫ぎ」。一房のタッセルがアクセントになっているバッグからは、西洋と東洋の美の融合が感じられる。お洒落だったお母さまの影響を受け、ジュエリーのデザインでもこうした東西の融合を意識されることがあるそう。

バッグの表生地は「甲州印伝」。丈夫な鹿革は使い込むほどに手にしっとりとなじみ、漆で摺り込まれた文様が光沢を帯びてほのかに浮かび上がるさまはドレスやきものなどのフォーマルな装いだけでなく、カジュアルな装いもシックに引き立てます。

マグネットが内蔵されたフラップを開けて三つ折りのバッグを広げると、リングをはめられる取り外し可能なバーや、ピアスや絡まりやすいネックレスも収納できる小さな内ポケットなど、ジュエリーや時計などを整理して収められる工夫が凝らされています。バッグの内部はたっぷりとした容量があるので、携帯電話や名刺入れなどを入れても不格好に膨らむことはありません。

これらの実用性に富んだアイディアをご提案くださったのは、ジュエリーデザイナーの松下聖子さん。「海外出張時に旅行鞄にコンパクトに収まって型崩れしにくく、ジュエリーを傷つけずに収納できて、さらにはディナーやパーティでも活躍してくれる素敵なバッグがあればいいのに、と思っていました」。機能性と美しさを兼ね備えた“一石二鳥“のクラッチバッグが完成しました。

一緒に考えてくださったかた

松下聖子(まつした・きよこ)さん
「シンティランテ」ジュエリーデザイナー、「松下トレーディング」代表取締役社長。ミラノでファッションを学び、優美で気品のあるジュエリーをデザイン。「シンティランテ」のジュエリーは今年8月より、東京ミッドタウンのイセタンサローネにて購入可能。

写真/鍋島徳恭

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