暮らしのヒント
2023/02/02
鏡リュウジと英国占術4人の巨匠たち 魔法と星の国「英国」へようこそ 第7回(全16回) スピリチュアルが日常に生きている現代占星術の国、英国。そんな英国に惹かれ続ける鏡リュウジさんと、英国を代表する4人の占術家(マギー・ハイド、ジュリエット・シャーマン=バーク、フランク・C・クリフォード、エリザベス・ブルーク)が総登場。2023年を徹底的に占います。前回の記事はこちら>>
深層心理学では、神話やおとぎ話は心の真実を秘めているといわれ、星座のイメージが運命や心を映す占星術へとつながります。物語の中の、あなたを幸せに導くヒントを探しましょう。
鏡リュウジ 心理占星術研究家・翻訳家。国際基督教大学大学院修了。英国占星術協会会員。日本トランスパーソナル学会理事。平安女学院大学客員教授。京都文教大学客員教授。東京アストロロジースクール代表講師。占星術の心理学的アプローチを日本に紹介。著書・訳書多数。
心理学者のあのユングが、そして前回記事のジュリエット・シャーマン=バーク氏が語るように、神話をはじめとする伝承は占星術と同じく、心の深い層をその源としている。
人々は大いなる夜空の星たちをつなぎ、星座を紡ぎ、星空を銀幕として自分たちの心や人生を映し出してきたのである。
古くからの物語はみな、人間が普遍的に経験してきた喜怒哀楽の縮図であり、だからこそ、その物語に僕たちは共感し、そこから教訓を得ることさえあるのだ。
それは単なる子ども向けのお話と軽視されがちなおとぎ話や童話にすら当てはまる。いや、国家レベルで歴史的に「編纂」された公式の神話よりも、素朴な人々の間で伝えられてきたおとぎ話のほうが心の古い層を伝えているとさえ言えるかも知れない。
権力者に都合よく改ざんされ整形された公的な物語より素顔の民話が人の心を映すといえば納得しやすいだろう。
ユングの高弟であったフォン・フランツはおとぎ話への心理学的な分析でよく知られているけれど、フランツは「神話は海でいえば波のようなもの、そしておとぎ話は海の深層である」と述べている。
つまり、おとぎ話のほうが心の深いところとつながっていると言っているのだ。実際、例えばシンデレラの物語の起源は石器時代にまで遡れるのではないかという説さえあるほどなのだ。
ここにあげたのは神話、おとぎ話、童話などさまざまな「物語」である。いずれも伝統的な星座のテーマと深いつながりをもっていると考えられるものだ。
こうした物語にあなた自身の心を映してみよう。その中から、あなた自身と、そして、あなたとあなたの大切な人たちとの関係を浮かび上がらせてみよう。
きっとその中にはあなたとあなたを取り巻く人間関係の星座が浮かび上がるはずだ。
01 〔鏡リュウジ〕スピリチュアル・ブリテン——神秘と星の5000年
04 〔マギーハイド〕「冥王星の水瓶座入り」がもたらす金融の冬と〈真の価値〉
05 〔マギーハイド〕12星座別 2023年あなたにとっての「真の価値」
07 〔鏡リュウジ〕12星座の物語が説く〈自分自身〉と〈人間関係〉
文/鏡リュウジ、浅島尚美〈説話社〉 イラストレーション/山田博之
『家庭画報』2023年2月号 別冊付録「2023年 開運・招福術」掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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