暮らしのヒント

鏡リュウジさんと図像で辿る「名画に隠れた占星術の世界観」

サンドロ・ボッティチェリ《ラ・プリマヴェーラ》

名画に隠れた占星術の世界観

ボッティチェリは、メディチ家の庇護のもと古代ギリシャのプラトン=アカデミーを再興しようとした哲学者にして占星術師マルシリオ・フィチーノのサークルに属しており、フィチーノの占星術や魔術の思想の影響を強く受けていた。フィレンツェのルネサンス美術を代表するこの美しい絵は、愛の惑星である金星の霊気を召喚する一種の護符であるかもしれないというのが美術史家フランセス・イエイツの説であった。

名画に隠れた占星術の世界観
1 ヴィーナス
春の園の主人であるヴィーナス。

2 三美神
純潔、快楽、美という三美神が春風の中でダンスをする。頭上の愛のキューピッドの矢は中央の純潔の女神を狙い、愛の目覚めを予感させる。純潔の女神の視線は画面左のヘルメスへと向かう。

3 ヘルメスの杖
ヘルメスの魔法の杖は雲上に突き出され、春風の霊気を天上界へと返すかのように見える。スピリットの循環。

名画に隠れた占星術の世界観
4 風の神
西風ゼフィロスは湿った温かな春風を吹かせる。それは息(= スピリット)で示され、ここでは宇宙的霊気が春の園に吹き込むことを示すとも解釈できる。

5 クローリスとフローラ
春の風が殺風景な冬の大地(クローリス)を花畑(フローラ)へと変身させる。

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