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鏡リュウジさんと図像で辿る「名画に隠れた占星術の世界観」

フランチェスコ・デル・コッサ《3月》

名画に隠れた占星術の世界観

15世紀イタリア・フェラーラのスキファノイア宮「月暦の間」のフレスコ画で、壁面に描かれた12か月の暦の一つ。この謎めいた図像の起源が古代の占星術に遡ることを論証したのが美術史家アビ・ヴァールブルクの1912年の記念碑的講演であった。この講演の中でヴァールブルクは「図像学」という言葉を美術史の方法論として初めて明示的に用いた。「図像学」は占星術研究によって誕生したとさえいえるのである。

名画に隠れた占星術の世界観
1 凱旋車に乗っている女神:ミネルヴァ
紀元1世紀ローマの占星術詩人マニリウスにより、12星座にそれぞれオリンポスの12神(とそれに対応するローマの神々)が割り当てられた。牡羊座の守護神は知恵と戦いの女神パラス=ミネルヴァであり、ここにはその姿がある。

名画に隠れた占星術の世界観
1 3人の人物
古代エジプトに遡る占星術の教義「デカン」を示す人物像。エジプトでは一つの星座を上旬、中旬、下旬の3つに分けており(デカン)、それぞれにミステリアスな図像を当てはめていた。この図像はインド、アラブを巡り、ルネサンスの時期に再び西欧に戻ってきた。左端の黒い男、中央の足のない女性、右の矢や輪を持つ人物はそのような長い旅をしてきた占星術の象徴である。一節には中央の女性はナイルの女神あるいはカシオペア、右の人物の輪は銀河、ロープはぎょしゃ座の象徴だという。

2 牡羊
これは暦絵であり、3月を表すのは春分から始まる牡羊座。

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