美味手帖

まるで水のようにみずみずしい口あたり! 京都の猛暑を潤す涼やかな京菓子をお取り寄せ

京都&パリ ひみつの美味案内 世界の食都、京都&パリ。地元のグルメな方々に、現地に暮らすからこそ知っているおすすめの美味をこっそり教えていただきます。記事一覧はこちら>>

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【7月の美味案内】
涼やか和菓子で夏のご挨拶

(取材・文/西村晶子)

京都のうだるような暑さはご存じのとおり格別です。あまりの猛暑に食も細くなりますが、きりりと冷えた和菓子は別物。今回は、おやつにも進物にも人気の水ようかんの中から、唯一無二の逸品をご紹介します。

みずみずしくて風味豊か。
唯一無二の水ようかん「涼一滴」

材料選びからこだわった小豆風味の涼一滴。添えられた青竹のスプーンでいただくとさらに涼感が増す。

大徳寺に程近い、新町通に店を構える「紫野源水(むらさきのげんすい)」は、お茶人好みの生菓子や干菓子を主に扱う京菓子司。開店して37年目を迎え、ご主人の井上茂さんが材料選びから仕上げまで一人で手がけ、奥さまが接客をなさっています。

オリジナルの煎茶茶碗に小豆風味(写真右)とごま風味(同左)の水ようかんを入れた「涼一滴」。みずみずしく、とろけるような柔らかさ。1個480円。

「涼一滴(りょういってき)」はオープンして初めての夏から販売し続けている、夏限定の銘菓。小豆風味の水ようかんと、精進料理のごま豆腐からヒントを得て作ったというごま風味の水ようかんの2種類があり、菓匠の心と技を尽くして完成させた自信の逸品です。「葛と組み合わせるとごまの油分が立ち、ごまのペーストにするとえぐみが出るので、寒天と煎りごまを使って水ようかんのように仕立てました。水のような口どけに涼しさを感じてもらえたらと思い、涼一滴と名づけたんです」とご主人。

進物用の箱入りは6個3200円から。竹籠入りは8個4390円から。冷蔵保存で3、4日の日持ち。

白餡の中に煎って裏ごしたごまを加えており、口あたりがよく、餡の甘みとごまの風味が絶妙です。一方、なめらかな口どけの餡で作った水ようかんも絶品で、どちらもお代わりしたくなるおいしさ。器に煎茶茶碗を使って竹のさじを添えるなど、こまやかなこだわりがあるのも嬉しい限り。進物のニーズに合わせて、箱は紙箱と竹籠を揃えています。

京の夏の風情を取り入れた
大納言たっぷりの爽やかな琥珀羹

小豆を蜜で煮た鹿の子豆をたっぷり加えた「加茂のせせらぎ」。1棹2200円。

夏の棹物も見た目美しく、爽やかな味わいです。「加茂のせせらぎ」は、川の流れをそのままに大納言とさいの目に切った求肥をちりばめた棹物。蜜煮にした鹿の子豆をたっぷり使った小豆好きが大満足の贅沢な琥珀羹です。

柚子の香り立つ爽やかな「柚子のおとずれ」。1棹2000円。

もうひとつの「柚子のおとずれ」は涼しげな色と大納言を組み合わせた棹物。青柚子の表皮の部分だけを寒天に加え、ふっくらとした小豆は、丹波産の馬路(うまじ)大納言を使っています。粒は俵型で色つやが美しく、独特の風味と香りがあります。まぼろしの小豆、畑の宝石といわれる希少なものだそうです。

1棹で7切れとれ、冷蔵保存で2週間、封を切ってから3、4日の日持ち。

涼しげな姿に心洗われ、食せば水のようにすんなりとしたのど越しの夏の涼菓は、暑気払いのおやつにも、夏の進物やお見舞いにもぴったり。京菓子の伝統そのままでありながら目にも舌にも新鮮で、夏になると恋しくなる味です。
季節のうつろいを生菓子や干菓子で扱い、生菓子以外は発送の相談に乗ってくれる。
京菓子の伝統と技を受け継ぎ、一つひとつ丹念な菓子づくりを守るお店。

京菓子司 紫野源水

京都府京都市北区北大路新町下る
電話 075-451-8857
Fax 075-451-8867
営業時間 10時~18時
定休日 日曜・祝祭日
※お取り寄せの問い合わせは電話かFaxで。
※価格は税込み

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西村晶子/Shoko Nishimura

関西を拠点に、京都の食や文化、人、旅を幅広く取材、編集。長年、『家庭画報』の京都企画を担当し、さまざまな記事を執筆。最近の書籍の仕事に『旨し、うるわし、京都ぐらし』(大原千鶴著)がある。

表示価格はすべて税込みです。

撮影/内藤貞保

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