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美味手帖

パリの星付きフレンチレストランが提案。新スタイルの“飲茶”の楽しみ

2020.03.31

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京都&パリ ひみつの美味案内 世界の食都、京都&パリ。地元のグルメな方々に、現地に暮らすからこそ知っているおすすめの美味をこっそり教えていただきます。旅の計画にぜひお役立てください。記事一覧はこちら>>

【3月の美味案内】
春到来!散策名所のランチ


(取材・文/大島 泉)

3月は4回にわたって、パリの個性溢れるランチスポットをご紹介してきました。最終回は、星付きのフレンチレストランが開いた、中華まんと中国茶のお店。飲茶のイメージを変える、新スタイルのお店です。




バオは、左から時計回りに、日替わりのブーダンノワール(ブラッドソーセージ)4€、スモーク豆腐と野菜と唐辛子3€、バスク地方の豚肉となすの四川風4€。日替わりの中国茶5€と、写真奥は椎茸焼きそば(胡麻ソース)10€。

ふわっと蒸されたフレンチスタイルの中華まん(バオ)が美味
「ブティック・ヤムチャ」


「ヤムチャ」と言えば、点心とともに中国茶を楽しむ食のスタイル、「飲茶」のことですが、ここパリにおいては、クリエイティブな女性シェフ、アデリーヌ・グラッタールによる、ミシュラン一つ星レストランの名前でもあります。

香港で暮らしたことがあり、ご主人が香港人であるアデリーヌ。中国料理の食材や味覚に造詣が深い彼女の料理は、一見シンプルに見える素材の組み合わせにひらめきがあり、フレンチと中国料理がごく自然にフュージョンした、とても想像力豊かなものばかり。おいしいもの好きのパリ人たちに熱烈に支持されています。



ふかふかに蒸し上がったバオ(中華まん)。

飲茶を楽しめるサロン・ド・テ


今回ご紹介するのは、「ヤムチャ」のすぐ近くの、ひっそりとした小径に建つ「ブティック・ヤムチャ」。こちらは、バオ(中華まん)と中国茶を楽しむための、サロン・ド・テです。

通りから見えるガラス張りの厨房の中では、朝6時から中国人女性がきびきびと立ち働き、毎日500個以上のバオと、レストラン「ヤムチャ」で供される蒸しパンが手際よく作られていきます。

12時になるとバオが蒸し上がります。通りに向かって開いた窓からテイクアウトすることもできれば、または、こぢんまりとしながらシックなサロン・ド・テで中国茶と一緒にイートインで楽しむことも可能。



お茶ソムリエが丁寧に淹れてくれる「カンフー茶」は、1人分24€。好みに合わせて数多くの茶の中から選んでくれ、中国茶の作法で味わう。

この店を率いているのは、アデリーヌ・グラッタールのご主人のチ・ワ・チャン。元はグラフィックデザイナーだったという香港人ですが、今は夫婦でレストランを営みながら、お茶ソムリエとして、こちらのサロン・ド・テでも腕を振るっています。

イートインでオーダーし、蒸気をあげて運ばれてくる熱々のバオは、見た目はふわっと白い、一般的な小ぶりの中華まんですが、その中には、「ヤムチャ」ならではの、フレンチとチャイニーズが融合した、オリジナリティ溢れるあんが詰まっています。



見た目からは予想もつかないが、ひと口食べればフレンチとチャイニーズの融合した味わいが楽しめる。

フレンチとチャイニーズが融合したバオ


サレ(塩味)のバオは、5種類。一つひとつオーダーすることもできますが、小ぶりなので、5つセットですべて味わってみるのがおすすめです。コンテチーズとオニオンのカレー風味、スティルトン(イギリスの青カビチーズ)とアマレナチェリー、バスク地方の豚肉となすの四川風、スモーク豆腐と野菜と唐辛子、そして日替わり1種。取材した日の日替わりは、ブーダンノワール(ブラッドソーセージ)でした。どれも個性の強い味が、中華まんのふわふわの蒸しパンに染み込んでしっかり記憶に残ります。5種とも見た目は全く同じですが、底に貼られた紙に、スティルトンならS、コンテチーズならCなどと頭文字が書かれていてます。



大葉の香りが効いたデザート、「黒もち米とエキゾチックフルーツのココナッツミルク」8€。

デザートも楽しみに


デザート用の甘いバオは2種類あり、フルーツとドミニカ共和国産チョコレート。バオ以外では、熱々の自家製餃子や、オーダーするとレストランから運ばれてくる椎茸焼きそば、もち米とココナッツミルクとエキゾチックフルーツに大葉が添えられた爽やかなデザートなどがあります。



くるみの木のカウンターが美しい、サロン・ド・テの内観。

バオは売り切れ次第終了ですが、お茶ソムリエ直々にサービスしてくれる中国茶の数々を、午後のあいだゆったりと楽しむことができます。バオは、テイクアウト用に5種類を箱詰めしてくれるので、すぐ近くのレアールの庭のベンチで、この夏開館予定のピノーコレクションの建物を眺めながらいただくのも一興です。外から見られるのは、元商業証券取引所の建物ですが、安藤忠雄の設計で2020年3月現在改装工事中です。



ガラス越しに覗ける厨房では、早朝から次々と点心が作られていく。



向かってドアの左側がイートイン可能なサロン・ド・テ。右側が厨房。お昼時には厨房の窓が開かれテイクアウト用に販売される。

Boutique Yam’Tcha
(ブティック・ヤムチャ)


4 rue Sauval 75001 Paris
電話 +33 (0)1 40 26 06 06
営業時間 12時~18時(土曜~20時)
定休日 日曜・月曜・火曜
https://www.yamtcha.com/maison-de-the.html
※フランス政府による新型コロナウイルス対策の措置により、3月31日現在休業中です。お越しになる際は、公式ホームページ等で営業状況をお確かめください。

「#パリ」の記事一覧はこちら

大島 泉/Izumi FILY-OSHIMA

ライター、コーディネーター、通訳、翻訳者
東京生まれ、東京育ち。1989年にパリへ移住。現在はパリ郊外、サンジェルマン・アンレイ暮らし。
撮影/村松史郎
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