
「ザ・スミス・ベーカリー」のサーモンとほうれん草のキッシュ。右奥のデザートは、姉妹店である南仏サントロペの名物カフェ「セネキエ」のレシピで作られた「タルト・トロペジェンヌ」。
食都であるパリと京都のおいしいものをご紹介する連載「ひみつの美味案内」。2月のパリは、ほくほくの「キッシュ」をテーマとし、パリジェンヌが実際に通っている名店を4軒ご紹介してきました。
手早く食べられるキッシュは、パリの人々にとってクイックランチの定番です。ロレーヌ地方発祥の「キッシュ・ロレーヌ」をはじめ、個性豊かなキッシュに出合えるのも、グルメの街・パリならではの醍醐味です。
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パリジェンヌが愛するキッシュ
パリの人々で賑わう大型カフェに挟まれ、ひっそりと建つこぢんまりとしたお店「ザ・スミス・ベーカリー」は、実はキッシュがおいしいと評判の、穴場のお店。高さ6cmに焼き上げた厚みのあるキッシュは、一見ボリュームたっぷりに見えますが、タルト生地はさっくりとした食感で、中の卵とクリームはふわっと柔らか。大きく見えても意外に全部食べられてしまう、絶妙なバランスが魅力です。
パリジャンの憩いの場リュクサンブール公園のすぐ脇に、「レ・サヴール・ド・ピエール・エミール」(“ピエール・エミールの味”の意味)という小さな店があります。ご主人が30年以上守り続けてきた家庭的な味は、世代を超えてパリジェンヌ達に愛され続けてきました。
パリのサロン・ド・テ(食事も楽しめる喫茶店)には、ランチメニューにキッシュのあるお店がいくつもあります。その中で、センスのよさとおいしさが別格としてパリジェンヌたちに支持されているのが、ここ「ミス・マープル」です。
1年中賑わうフラン・ブルジョワ通りの一角にテラス席を広げた「ル・ヴォルティジュール」は、朝から晩まで、寒い日でもお客さまの絶えないお店。常時5種類揃うキッシュはホール型をカットしたものではなく、1人分のサイズごとに焼かれた丸いもの。