• TOP
  • 美味手帖
  • キッシュ一筋31年。パリ・リュクサンブール公園そばの名店を味わうなら今のうちに!

美味手帖

キッシュ一筋31年。パリ・リュクサンブール公園そばの名店を味わうなら今のうちに!

2020.02.27

  • facebook
  • line
  • twitter

京都&パリ ひみつの美味案内 世界の食都、京都&パリ。地元のグルメな方々に、現地に暮らすからこそ知っているおすすめの美味をこっそり教えていただきます。旅の計画にぜひお役立てください。記事一覧はこちら>>

【2月の美味案内】
まだ間に合う!
美味とともに冬の名残を楽しむ


(取材・文/大島 泉)

フランスのコンフォートフードの代表格の一つが、キッシュ。心もお腹も満たされる、冬のランチの人気メニューです。


パリでは、さまざまなタイプのキッシュを楽しむことができますが、実は、パリのリュクサンブール公園のそばに、キッシュでその名を知られ、30年以上愛されてきたお店があるのです。キッシュのおいしいお店をご紹介してきた2月の締めくくりにふさわしい名店をご紹介します。



手前はキッシュ・ロレーヌ、左奥はトマトとオニオンとパプリカとズッキーニにアンチョビ入りのプロヴァンス・タルト、右奥はタルト台のない野菜のティアン(ほうれん草、リコッタチーズ、パプリカ、ズッキーニ、トマト)。いずれも、テイクアウトで6€、イートインはサラダがついて12€。

30年以上守り続けてきた家庭的な味のキッシュ
「レ・サヴール・ド・ピエール・エミール」


パリジャンの憩いの場リュクサンブール公園のすぐ脇に、「レ・サヴール・ド・ピエール・エミール」(“ピエール・エミールの味”の意味)という店名が、茶色の落ち着いた庇に書かれた、小さな店があります。



ひっそりとした佇まいで、通り過ぎてしまいそうなこぢんまりとした店。

パリジェンヌが愛してきた家庭的な味


ガラス窓の内側はショーウインドーになっており、キッシュやタルトがずらりと並んでいます。ドアを開けて店内に一歩入れば、バターとチーズの焼けるおいしそうな香りが漂います。

カウンターで注文し、トレイを受け取ったら、2階の小さなサロンで食べるのもよし、テイクアウトしてリュクサンブール公園に持って行くもよし。30年以上前から、数え切れないほどのパリジェンヌたちが、この店のキッシュをランチにしてきました。



人気のアスパラガスとディルのキッシュは、卵とクリームのソフトな口当たりが際立つ。秘伝の自家製ドレッシングで、シンプルなサラダもおいしい。イートインで12€。テイクアウトの場合、サラダなしで6€。これまたおすすめのドリンクは、自家製ジンジャーレモン。グラスで、イートインは4€、テイクアウトは2€50。

パリの伝統を感じさせる味わい


キッシュは5種類。定番のロレーヌ、コクのあるポロネギとベーコン、さっぱりしたブロッコリーとリコッタチーズ、香ばしいブロッコリーとハムとアーモンド、そして、人気の高いアスパラガスとディルです。

生地は適度に薄くバターがしみ、ベースはしっとりとまろやかな味わい。これぞ、パリの伝統的なキッシュの味です。



通りから見えるガラス窓の内側にはキッシュやタルトがずらり。毎日、開店時間に合わせて焼きあがる。

キッシュのほかタルトもバリエーション豊富


キッシュのほかにも、トマトとオニオンとパプリカとズッキーニにアンチョビ入りのプロヴァンス・タルト、ロックフォールチーズのパイ、そして、タルト台のない野菜のティアン(重ね焼き)……と塩味系のタルトだけで9種類もあります。

イートインでオーダーすると、キッシュやタルトにグリーンサラダがつくのですが、そのドレッシングが自家製の秘伝レシピで作られています。お酢を一切使わず、レモン汁、マスタード、オリーブオイルにひまわりオイルを合わせて仕立てたもので、これがなんともフランスの家庭のサラダの味なのです。



優しくまろやかな口当たりの、ほんのりスイートなマロンケーキは、一番人気のデザート。テイクアウト4€50、イートインで8€。

食後はマロンケーキがおすすめ


デザートもいろいろ並んでいますが、これまた懐かしい味わいのマロンケーキや、果物の味が生きたクランブルに定評があります。ドリンクには、自家製の甘酸っぱいジンジャーレモンもぜひお試しください。これらの味を求めて、パリに暮らす母から娘へとファンがつながっています。



2階はイートイン用の小さなサロンになっている。

ご主人は御年80歳超え!


この名店のオーナー、ピエール・エミール氏は、今や80歳を超える高齢。元はパリ近郊で農業を営んでいたそうですが、手作りのタルトやキッシュの店を開こうと、家族でパリにサロン・ド・テを開業。その次にテイクアウトの店を、とここを開いたのが31年前のこと。

今はスタッフに店番は任せていますが、レシピはピエール・エミール氏の秘伝を守り続けています。タルト台は、1kgの小麦粉に500gのバターと卵2個、という配分で、30年間ずっと変わっていないそうです。

自分が元気なうちに、いよいよ店を手放そうと決めたそうで、そう遠くない将来に、このままの店ではなくなる可能性が高いそうです。名高いキッシュを味わいたければ、今のうちにぜひどうぞ。

Les Saveurs de Pierre Emile
(レ・サヴール・ド・ピエール・エミール)


62 rue de Vaugirard 75006 Paris
電話 +33 (0)1 45 48 40 45
営業時間 11時~21時
定休日 日曜

パリの記事一覧はこちら>>

大島 泉/Izumi FILY-OSHIMA

ライター、コーディネーター、通訳、翻訳者
東京生まれ、東京育ち。1989年にパリへ移住。現在はパリ郊外、サンジェルマン・アンレイ暮らし。
撮影/村松史郎
  • facebook
  • line
  • twitter

12星座占い今日のわたし

全体ランキング&仕事、お金、愛情…
今日のあなたの運勢は?

2024 / 04 / 24

他の星座を見る

12星座占い今日のわたし

全体ランキング&仕事、お金、愛情…
今日のあなたの運勢は?

2024 / 04 / 24

他の星座を見る

Keyword

注目キーワード

Pick up

注目記事