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能とシャンパーニュの邂逅 個性が響き合い、一つになるとき〔クリュッグ〕

2020.01.07

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江戸末期に狩野派により描かれた能舞台鏡板の老松の前にて、クリュッグ グランド・キュヴェ 168 エディションと大倉源次郎さんが愛用する小鼓。洋の東西を超えて、年月を重ねたものだけが持つ魅力を放つ。

室町時代に大成した能楽は、600年以上にわたり受け継がれてきた日本が誇る舞台芸術です。

主役や地謡を勤めるシテ方の他に、ワキ方、狂言方、音楽を担当する囃子方など、多くの職種が能楽という舞台芸術を支えている中で、大倉源次郎さんが務めるのは囃子方の一つ、小鼓方。現在は小鼓方大倉流十六世宗家として、緊張を強いられる舞台に日夜上がり続けています。


大倉源次郎さん(おおくら げんじろう)
1957年、大倉流15世宗家・大倉長十郎の次男として大阪に生まれる。64年独鼓「鮎之段」にて初舞台。85年能楽小鼓方大倉流16世宗家を継承。流派を超えて国内外で演能を行う。2017年重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。著書に『大倉源次郎の能楽談義』(淡交社)がある。


「小鼓だけでなく、各演者一人一人が日々研鑽を積み、その20人ほどの力が結集して一つの能の舞台が生まれます。同じ演目を繰り返しても、舞台は一期一会なのです」と大倉さん。

小鼓の胴には自然の風物を描くことによって、能楽が鼓を打つ人間と大自然の調和による芸術であることを忘れるなということと話します。
小鼓は胴、革、紐の3つの部位からなる。写真中央の胴に金蒔絵で描かれているのはたんぽぽの花。たんぽぽは芸人を象徴していて、花を咲かせた後に綿帽子として飛んで行き、誰からも好かれるようにという願いを込めている。革は馬革で、左奥が新革、色づいたものは150年以上、育てながら使っているもの。

一方、遠く離れたフランスで創設以来プレステージ シャンパーニュのみを造り続けるメゾン「クリュッグ」。毎年、区画を細かく分けた畑から収穫されたぶどうでワインを造り、それらを「ライブラリー」と呼ばれる地下倉庫に保管、10年以上も生産年の異なる百数十種類のワインをアッサンブラージュ(ブレンド)して造るのが、メゾンの原点ともいえるシャンパーニュ「クリュッグ グランド・キュヴェ」。

異なるヴィンテージのワインを用いることで、単一年のぶどうだけで造るワインでは表現しきれない豊かな味わいとふくよかなアロマが生まれます。

ランスにあるクリュッグ社に2017年に設けられたテイスティングルームには、400本のベースワインのレプリカが並ぶ。最高醸造責任者のエリック ルベル氏を筆頭に、6人の委員会のメンバーが、その年の250種類のワインを2、3回テイスティング、それとは別に150にも及ぶリザーブワインのテイスティングを行っている。

「お能もシャンパーニュも、自然と人間の調和、共同作業から生み出されるもので、ともに人間の営みの素晴らしさを結集したものといえます。自然と向き合い、対話を積み重ねることで、人知を超えた完成度の極めて高い作品が生み出されるのです」と大倉さんは話します。
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