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いま知りたい、オーストラリアワインの奥深さ。駐日大使が語る「プレミアムワイン」の魅力

2026.10.07

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親しみやすく、気軽に楽しめる。そんなイメージのあるオーストラリアワインですが、実は世界的に高く評価されるプレミアムワインの産地でもあります。その背景には200年以上の歴史があり、広大な国土には気候も風土も異なる多彩な産地が広がります。世界水準のプレミアムワインから、若い造り手による革新的なワインまで、その表情は実にさまざま。駐日オーストラリア大使 アンドリュー・シーラーさんに、いま知ってほしいオーストラリアワインの魅力と楽しみ方をうかがいました。

2026年8月に駐日オーストラリア大使に着任したアンドリュー・シーラーさん。メルボルン出身。長年にわたり外交・安全保障分野で要職を務め、日本との関わりも深い。

2026年2月に来日した駐日オーストラリア大使、アンドリュー・シーラーさん。メルボルン出身。長年にわたり外交・安全保障分野で要職を務め、日本との関わりも深い。

広大な大地と多彩な気候が育む、プレミアムワインの個性

オーストラリアに最初のブドウ樹が持ち込まれたのは1788年。その後、ヨーロッパから渡った移民たちがワイン文化や醸造技術を伝え、各地に産地が広がっていきました。シーラー大使は、「オーストラリアには長いワイン造りの伝統があり、一方で若く革新的な造り手たちもいます。私たちのプレミアムなワインは、世界のどの産地のワインとも十分に肩を並べられる水準です」とその強みを語ります。歴史を重ねながら、変化を恐れず新しいことに挑む。その精神が、現在のオーストラリアワインを形作っています。

西オーストラリア州マーガレット・リヴァーのブドウ畑。シャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨンなど、世界的評価の高いプレミアムワインを生む産地のひとつ。ⓒWine Australia

西オーストラリア州マーガレット・リヴァーのブドウ畑。シャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨンなど、世界的評価の高いプレミアムワインを生む産地のひとつ。ⓒWine Australia


ヨーロッパ大陸に匹敵するほど広大なオーストラリアには、現在65のワイン産地があります。南の冷涼な島から、海風が届く沿岸部、昼夜の寒暖差が大きい丘陵地まで、ブドウを取り巻く環境は実にさまざま。今回紹介するワインを選んだのは、マスター・オブ・ワインの称号を持ち、ワインオーストラリアの教育マネージャーでもあるエマ・シミントン氏。ロンドンのWSET(ワイン&スピリッツ教育機関)のワイン講座で、“オーストラリアのアイコニックなワイン”として選んだワインを含む7本です。タスマニアのスパークリングワイン、南オーストラリア州の丘陵地クレア・ヴァレーのリースリング、海と山に挟まれたビクトリア州ギップスランドのピノ・ノワール、西オーストラリア南西端の海沿いに広がるマーガレット・リヴァーのシャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨン主体のワイン、古いブドウ樹で知られる南オーストラリア州バロッサ・ヴァレーのシラーズなど、各地の個性が表れています。「どんな場面にも、それに合うプレミアムなオーストラリアワインがあると言ってもいいでしょう」(シーラー大使)。


フレッシュでエレガントな高品質スパークリング「House of Arras(ハウス オブ アラス) A by Arras Premium Cuvee NV」5830円。冷涼なタスマニアで育つピノ・ノワールとシャルドネが主体。シャンパーニュ方式で造られ、きめ細やかな泡と複雑な香りが特徴。ワインのコメントは森 覚さん(アンダーズ 東京・ホテル虎ノ門ヒルズ エグゼクティブ ソムリエ) による(以下同)。→まとめて初出に入れます

フレッシュでエレガントな高品質スパークリング「House of Arras(ハウス オブ アラス) A by Arras Premium Cuvee NV」5830円(希望小売価格、以下同)。冷涼なタスマニアで育つピノ・ノワールとシャルドネが主体。シャンパーニュ方式で造られ、きめ細やかな泡と複雑な香りが特徴。ワインのコメントは森 覚さん(アンダーズ 東京・ホテル虎ノ門ヒルズ エグゼクティブ ソムリエ) による(以下同)。

伝統を大切にしながら、新しさも取り入れるオーストラリア人の気質

シドニーの北に位置するハンター・ヴァレー、南オーストラリア州の州都アデレード近郊に広がるバロッサ・ヴァレーやマクラーレン・ヴェイルには、19世紀から受け継がれてきたワイン造りの伝統があります。その一方で、オーストラリアはスクリューキャップの導入をはじめ、新しい品種や醸造法にも積極的に取り組んできました。「オーストラリア人は変化を恐れません。何世代も受け継がれてきた知識や古いブドウ樹を大切にしながら、新たなアイデアも柔軟に取り入れる。そのバランスが強みです」(シーラー大使)。

畑を歩く、「カレン・ワインズ」のヴァーニャ・カレンさん。土地を見つめ、環境と向き合いながらワインを造る姿は、オーストラリアの生産者たちに共通する。ⓒWine Australia

畑を歩く、「カレン・ワインズ」のヴァーニャ・カレンさん。土地を見つめ、環境と向き合いながらワインを造る姿は、オーストラリアの生産者たちに共通する。ⓒWine Australia


ワインは、その土地の味や香りを伝えるもの。オーストラリアの造り手たちは品質を追求すると同時に、土地をどう守り、次の世代へ渡していくかにも強い意識を向けています。「オーストラリアには土地との強いつながりがあります。ワインは土地から生まれ、その土地の味や香りを伝えるものです。造り手たちは品質だけでなく、サステナビリティや、自分たちが受け継いだ土地をよい状態で次の世代へ残すことにも真剣に取り組んでいます」(シーラー大使)。気候や土壌、標高や斜面の向きまで異なる広大な国だからこそ、土地の個性も一様ではありません。その土地をどう未来へ継承するかまでを考えて、ワイン造りが行われています。

左「Grosset Polish Hill(グロセット ポーリッシュ ヒル)Riesling 2019」右「Leeuwin Estate(ルーウィン エステート)

左は南オーストラリア州クレア・ヴァレーのプレミアムリースリング「Grosset Polish Hill(グロセット ポーリッシュ ヒル)Riesling 2019」1万1220円。ライムや柑橘を思わせるピュアな香り、鋭い酸と伸びやかなミネラル感。長期熟成によってさらに複雑さを増す。右は芸術とワインの融合で知られる西オーストラリア州マーガレット・リヴァーの「Leeuwin Estate(ルーウィン エステート)Art Series Chardonnay 2018」2万680円。熟した果実味に、上品なオークと緻密な酸が調和。豊かな表現力と長期熟成のポテンシャルを持つ、完成度の高いワイン。

グラスを片手に、終始リラックスした雰囲気でインタビューに応じてくれたシーラー大使。ワイン同様にコーヒーも嗜み、日本各地への出張時はオーストラリアで研修したバリスタのいるカフェを訪れるのだそう。

グラスを片手に、終始リラックスした雰囲気でインタビューに応じてくれたシーラー大使。ワインと同様にコーヒーも嗜む。日本各地への出張時は、日本食とともにワインを楽しみ、オーストラリアで研修したバリスタのいるカフェを訪れるのだそう。


大使は日本の食文化の幅広さにも魅了されているといいます。刺身、焼き鳥、鉄板焼き、ステーキまで、料理のジャンルは実にさまざま。「そうした幅広い食卓に合わせられる、多様なスタイルがオーストラリアワインにはあります。リースリングを刺身に、シャルドネやピノ・ノワールを野菜や海鮮、和牛の鉄板焼きに。しっかりとしたシラーズならステーキに。もちろん、オージービーフなら理想的ですね」とシーラー大使。ニューサウスウェールズ州の温暖なリヴァリーナでは、食後に楽しむ甘口ワインも造られています。貴腐化したセミヨンから、芳醇な甘みと美しい酸を備えたデザートワインが生まれます。

左はバロッサ・ヴァレーの力強さとストラクチャーを持つシラーズ「Penfolds(ペンフォールズ)RWT Bin 798 Barossa Valley Shiraz 2020」1万1220円。ペンフォールズは1844年創業の歴史あるワイナリー。濃厚な果実味と滑らかなタンニン、そして高い熟成能力により、世界中のワイン愛好家から支持される。中はビクトリア州ギップスランドのピノ・ノワール「Bass Phillip(バス フィリップ)Wines Estate Pinot Noir 2023」2万円。冷涼な気候を反映した繊細な香りと、複雑で奥行きのある味わいが特徴。ブルゴーニュに通じるエレガンスと長い熟成ポテンシャルを持つ。右は西オーストラリア州マーガレット・リヴァーで、環境と調和したワイン造りで知られる家族経営の名門ワイナリー「Cullen(カレン)Diana Madeline 2022」2万円。ビオディナミ農法で土地の個性を引き出す。カベルネ・ソーヴィニヨン主体、凝縮した果実と美しい酸、しなやかなタンニンが調和。

ニューサウスウェールズ州 リヴァリーナで造られる、オーストラリアを代表する貴腐ワイン「De Bortoli Noble One 2021」375ml 3884円。貴腐菌によって糖度が凝縮されたブドウから造られるデザートワイン。蜂蜜やトロピカルフルーツを思わせる豊かな風味と美しい酸のバランスが魅力。

ニューサウスウェールズ州リヴァリーナで造られる、オーストラリアを代表する貴腐ワイン「De Bortoli(デ ボルトリ) Noble One 2021」375ml 3884円。貴腐菌によって糖度が凝縮されたブドウから造られるデザートワイン。蜂蜜やトロピカルフルーツを思わせる豊かな風味と美しい酸のバランスが魅力。

ワインと食、造り手に出会う「セラードア」へ

オーストラリア各地のワイナリーには、試飲スペースやショップ、レストランなどを備えた「セラードア」があります。ワインを味わい、地元の食材を使った料理を楽しみ、畑を眺め、時には造り手本人と言葉を交わせる場所です。「ワインと合わせてガストロノミックな料理と楽しんだり、小さな醸造所でスツールに腰かけ、ワインメーカーとグラスを傾けながら語り合ったりと、ワインがとても身近に感じられるはず。そうした体験の幅広さも、オーストラリアのワイン産地の魅力ですね。ワインはブドウ樹やブドウ、土壌、気候、斜面、太陽の角度まで、さまざまな要素から生まれます。そして、それらをどう捉え、ワインとして表現するかは造り手に委ねられています。そこには人の努力と職人の技があります」(シーラー大使)。ワインが生まれた土地を訪ねることで、ラベルだけでは見えない風景や、そこで働く人々の姿が見えてきます。セラードアは、そんなワインの背景に触れられる場所でもあります。

オーストラリアのワイナリーには、地元の食材を生かした料理とワインのペアリングを楽しめるレストランを備えるところも多い。写真はマーガレット・リヴァーにあるルーウィン・エステートのレストラン。ⓒFrances Andrijich/Wine Australia

オーストラリアのワイナリーには、地元の食材を生かした料理とワインのペアリングを楽しめるレストランを備えるところも多い。写真はマーガレット・リヴァーにあるルーウィン・エステートのレストラン。ⓒFrances Andrijich/Wine Australia

土に触れ、その状態を確かめる。土地を健全に保ち、次の世代へ受け継ぐことも、オーストラリアのワイン造りを支える大切な仕事。ⓒWine Australia

土に触れ、その状態を確かめる。土地を健全に保ち、次の世代へ受け継ぐことも、オーストラリアのワイン造りを支える大切な仕事。ⓒWine Australia


シーラー大使は、オーストラリアワインを「オーストラリアという国を知るためのレンズ」と表現します。受け継がれてきた伝統、土地との結びつき、品質を追求する職人の技、新しいものを取り入れる開拓者精神、そして広大な国土と多彩な文化を背景に、驚くほど幅広いワインが生まれています。ワインを通してその土地や人、文化まで見えてくれば、一杯のおいしさも、きっとこれまでとは違って感じられるはず。大切な人との会食や家族の記念日に楽しむ一本に、次はオーストラリアのプレミアムワインを選んでみてはいかがでしょうか。

「ディスカバー豪ワイン キャンペーン4.0」で
オーストラリアワインを発見する旅へ

2026年10月1日(木)から11月30日(月)まで、全国のキャンペーン参加飲食店、小売店などで、オーストラリアワインが抽選で当たるキャンペーンを開催。実施店舗や応募方法など、詳細はこちら。

撮影/樋口諒平(世界文化ホールディングス) 取材・文/谷 宏美

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