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シチリアワイン「プラネタ」30周年。“炎のシャルドネ”が未来へつなぐ土地と文化

2026.07.24

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1985年にイタリア・シチリア島南西部メンフィで創業、現代のシチリアワインの礎を築いたワイナリー「プラネタ(Planeta)」。現在ではエトナやノートなど島内5つのエリアでワイン造りを行い、2022年にはすべての自社畑でオーガニック認証を取得しました。ワインだけでなく、オリーブオイルの生産にも取り組み、さらにリゾートホテル事業にも進出。プラネタは単にワインを造るだけではなく、シチリアという土地の文化や自然、その魅力を未来へ受け継ぐことをブランドの使命としてきました。

シチリア島南西部ウルモにある、創業時からのぶどう畑。

シチリア島南西部ウルモにある、創業時からのぶどう畑。

シチリアの可能性を世界へ伝えた一本のシャルドネ

その歩みを語るうえで欠かせない存在が、1994年に初ヴィンテージをリリースした「プラネタ シャルドネ」。その誕生30周年を記念して、プラネタのオーナー兼醸造責任者、アレッシオ・プラネタ氏が来日し、アートプロジェクトが発表されました。そこでお披露目されたのが、特別限定ボトル「シャルドネ・オン・ファイヤー(Chardonnay On Fire)」。この特別なボトルには、30周年を祝うだけではない、シチリアの未来を見据えた思いが込められていました。

シチリア島でシャルドネのワイン造りを始めた経緯について話すアレッシオ・プラネタ氏。

シチリア島でシャルドネのワイン造りを始めた経緯について話すアレッシオ・プラネタ氏。


「シチリアには魅力的な土着品種のぶどうがありますが、当時世界にはなかなか理解してもらえませんでした。そこで、まずは誰もが知る国際品種のシャルドネで、シチリアという土地のポテンシャルを伝えようと考えたのです」とプラネタ氏。世界各地でワイン造りを学ぶ中で、ブルゴーニュで出合った樽熟成のシャルドネはプラネタ氏の人生を変えました。「いつか自分もこんなワインを造りたい」という思いを胸にシチリアに戻り、1985年に最初のシャルドネを植え、10年後の1994年に初ヴィンテージを収穫。2000年にはシチリアワインとして初めて『ワイン・スペクテーター』誌の世界トップ100に選出されるなど高い評価を獲得し、シチリアワインの国際的な認知を大きく押し上げました。


炎が描かれた「Chardonnay On Fire」のボトル。ワインは透明感があり輝きのある黄金色で、シチリアのテロワールを反映して、熟したアプリコットやトロピカルフルーツ、ホワイトメロン、白い花の香り、柑橘のアロマが特徴。樽熟成によりバニラのニュアンスが加わる。

炎が描かれた「Chardonnay On Fire」のボトル。ワインは透明感があり輝きのある黄金色で、シチリアのテロワールを反映して、熟したアプリコットやトロピカルフルーツ、ホワイトメロン、白い花の香り、柑橘のアロマが特徴。樽熟成によりバニラのニュアンスが加わる。

「炎」の絵文字に託した、未来へつなぐシチリアへの思い

30周年を迎えた今年、その節目を記念して発表されたのが「シャルドネ・オン・ファイヤー」です。ラベルを手がけたのは、パレルモを拠点に活動する現代アートユニット、クレール・フォンテーヌ。ボトルには、商品名をあえて記さず、炎の絵文字だけが描かれています。この炎には複数の意味が込められています。気候変動による森林火災、戦争など、現代社会が抱える課題の象徴であると同時に、希望や再生の象徴でもあるのです。また、世界共通のコミュニケーションツールとなった「絵文字」が日本で生まれたことにも着目したといいます。

「近年はワイン離れが話題になることもありますが、私たちはワインこそが人と人との距離を縮める、かけがえのないコミュニケーションツールだと考えています。ハートの絵文字一つで気持ちを伝えられる時代だからこそ、人が食卓を囲み、ワインを酌み交わしながら会話を楽しむ時間には、変わらない価値があると思います。その思いを、ワインと絵文字という二つの異なるコミュニケーションで表現したのです」(プラネタ氏)。

さらに、このプロジェクトにはもう一つ、大切な目的があります。

「Chardonnay On Fire」のボトルにはワインの説明はなく、描かれるのは絵文字の炎のみ。左が通常の750ml入り、右が3L入りのジェロボアム。

「Chardonnay On Fire」のボトルにはワインの説明はなく、描かれるのは絵文字の炎のみ。左が通常の750ml入り、右が3L入りのジェロボアム。


300本限定で製作されるジェロボアムのボトルの売り上げは、シチリア南西部に残る古代ギリシャ都市遺跡、セリヌンテ考古学公園の景観整備に役立てられます。ジュゼッペ・バルベラ教授により「長く美しい散歩道」と名付けられた計画では、地中海性植物を植栽しながら園路を整備し、遺跡と自然が調和する景観を未来へ残していくことを目指しています。

「シチリアの歴史的遺跡は、侵略や火災によって幾度も傷ついてきました。その炎によって失われた文化遺産を、今度は炎を描いたこのボトルによって未来へとつないでいきたいのです」とプラネタ氏。炎は破壊の象徴である一方、未来への希望も意味している──この言葉には、プラネタが30年間守り続けてきた土地への思いが込められています。

シチリアの魅力を伝える取り組みはワインだけにとどまりません。プラネタはワインツーリズムにも積極的に取り組み、ワイナリー併設のブティックホテル「ラ・フォレステリア」や、カジュアルな「プラネタ・カントリーハウス」を運営しています。「シチリアには古代遺跡、美しい自然、素晴らしい食文化があり、観光地としてだけではない、本物の人々の暮らしがあります。パレルモやタオルミーナ、エトナなどをぜひ訪ねてほしいですね」(プラネタ氏)。

世界へ向けてシチリアの可能性を示した一本のシャルドネ。30年という歳月を経て、そのワインは文化や自然、歴史を次世代へつなぐことを視野に入れたプロジェクトへと広がり、プラネタというブランドの哲学そのものを映し出す特別な1本となったのです。

ジェロボアムのボトルとアレッシオ・プラネタ氏。「シチリアのシャルドネは、日本料理の魚介やきのこのだし、脂ののった白身魚と、とても相性がいいと思います」。

ジェロボアムのボトルとアレッシオ・プラネタ氏。「シチリアのシャルドネは、日本料理の魚介やきのこのだし、脂ののった白身魚と、とても相性がいいと思います」。


●お問い合わせ
日欧商事
電話:0120-200105(平日9時~17時30分)
URL:https://www.jetlc.co.jp/wine/brand/planeta/

Photo by Susumu Yoshioka(ぶどう畑以外の写真)

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