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この夏、至福の「プロヴァンス・ロゼ」ワインに出合う

2025.06.13

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近年、世界的に人気を集めているロゼワイン。フランスでは、スティルワイン(非発泡性ワイン)の中で、白ワインを抜き、赤ワインに次ぐ第2位の位置を占めるほど、ロゼ熱が高まっています。アメリカでは、バイ ザ グラスでロゼを出すレストラン、ホテルも増えていて、SNS映えする色合いもあいまって、若い世代を中心にファンが年々増加中。一方、日本ではロゼワイン=甘口という先入観がいまだに残っているからなのか、数あるワインの中からロゼを選ぶ人は少数派かもしれません。しかし、近年人気のロゼワインのスタンダードは“辛口”なのです。

ロゼワインの品質を引き上げた革新的なワイナリー「シャトー デスクラン」

そうした中で、世界に誇る高品質のロゼワイン造りの先駆けとして、現在もトップクラスの評価を得ているのが「シャトー デスクラン」です。

シャトー デスクランはフランス南部、プロヴァンス地方の心臓部、ニースとサントロペの間に位置する。トスカーナ風のヴィラをイメージしたワイナリーは、19世紀半ばに建てられたもの。

シャトー デスクランはフランス南部、プロヴァンス地方の心臓部、ニースとサントロペの間に位置する。トスカーナ風のヴィラをイメージしたワイナリーは、19世紀半ばに建てられたもの。

風光明媚なエスクラン渓谷の丘陵地にあるワイナリーの起源は古く、12世紀以前にまで遡ります。ぶどう畑は267ヘクタールに広がり、そのうちの74ヘクタールにはAOP(原産地呼称保護ワイン)「コート・ド・プロヴァンス」ワイン用のぶどうが植えられています。かつてボルドーのシャトー・ムートン・ロートシルトの醸造長を20年以上にわたり務めたパトリック・レオン氏がワイン造りを担い、現在は息子のベルトラン・レオン氏がその卓越した技術を継承しています。

3種のロゼワインと薪火フレンチのペアリング

「レクレルール」のアミューズより、フランボワーズ・ライチ、甘海老のタルタル・新玉葱のアイスには2年間真空状態で熟成させたブルーベリーのソースをかけて。手前は阿蘇海の蛤の薪焼き 天然セリバター。「ウィスパリング エンジェル2024」とともに。

「レクレルール」のアミューズより、岩の器の上の赤い球はフランボワーズ・ライチ、甘海老のタルタル・新玉葱のアイスには2年間真空状態で熟成させたブルーベリーのソースをかけて。手前は阿蘇海の蛤の薪焼き 天然セリバター。「ウィスパリング エンジェル 2024」とともに。

初夏の一日、代官山にあるフレンチ「レクレルール」で開かれた会には、ベルトラン・レオン氏も参加、3種のロゼワインと料理のペアリングを楽しみました。最初に出てきたのは、アメリカで売上ナンバーワンのロゼ「ウィスパリング エンジェル 2024」。「ピュアなアロマ、フレッシュさがありながらエレガントでバランスも完璧。2024年は気候にも恵まれ、最高のヴィンテージになりました」(レオン氏)。アミューズの料理の中にある酸味、甘み、蛤の塩味など、さまざまなニュアンスにワインが呼応します。

薪火で炙った活〆伝助穴子に三陸のムール貝、古代米、大葉、キムチなどを合わせた料理は、「ロック エンジェル 2022」と合わせて。料理に潜む多彩な味わいや香りと、ワインの複雑さが絶妙にマッチする。

薪火で炙った活〆伝助穴子に三陸のムール貝、古代米、大葉、キムチなどを合わせた料理は「ロック エンジェル 2022」と合わせて。料理に潜む多彩な味わいや香り、ほのかな薪火の香りと、ワインの複雑さが絶妙にマッチする。

続けて出てきたロゼワインは「ロック エンジェル 2022」。ぶどう品種はウィスパリング エンジェルと同様、グルナッシュを主体にロール(イタリアではヴェルメンティーノと呼ばれる)で構成され、収穫は日の出から正午までの涼しいうちに行われます。「発酵と熟成に木樽を一部用い、フレッシュさがありながらもオーク樽と熟成による複雑さがあるワインです。ウィスパリング エンジェルを一段格上げしたワインです」(レオン氏)。


メインの魚料理は、活〆の金目鯛を、しょうがの風味を効かせたブールブランソース。「ガリュス 2022」と合わせる。ワインのアロマ、味わいを存分に楽しむためにはあまり冷やし過ぎずに飲む方がいい。

活〆の金目鯛を薪火で焼き、しょうがの風味を効かせたブールブランソースと合わせたメインの魚料理は「ガリュス 2022」と。ワインのアロマ、味わいを存分に楽しむためにはあまり冷やし過ぎずに飲む方がいい。

メイン料理に合わせて登場したのが、シャトー デスクランの最上級ワイン「ガリュス」。この日は特別に2022と2017、2つのヴィンテージが、ジェロボアム(通常のワインの4本分)のボトルで用意されました。ガリュスは樹齢100年近い単一畑のグルナッシュ、ロールで構成され、大型のフレンチオークの樽で11か月間発酵、熟成。その凝縮した味わい、リッチで複雑な香り、クリーミーな余韻は、ブラインドで飲んだら最上級の白ワインと区別がつかないほど。長期熟成にも耐えうるポテンシャルを持った一本です。「ガリュス 2022」は「レクレルール」にてバイ ザ グラスで楽しめます(予約時に要確認)。

左から、シャトー デスクランの醸造責任者、ベルトラン・レオン氏、ウィスパリング エンジェルをアメリカナンバー1のロゼワインにした立役者、アラン・リヴィエール氏、ワイン商でアンバサダーも務めるアラン・ウォン氏。

左から、シャトー デスクランのテクニカル・ディレクター、ベルトラン・レオン氏、ウィスパリング エンジェルをアメリカナンバー1のロゼワインにした立役者、アラン・リビエール氏、ワイン商でアンバサダーも務めるアラン・ウォン氏。

かつては地元プロヴァンス地方で消費されることが多かったロゼワインですが、シャトー デスクランは、その品質の目覚ましい向上もあり、世界106か国で愛飲されるようになりました。この夏、レストランで、ご自宅で、至福のロゼワインを体感してみてはいかがでしょうか。

左から、ウィスパリング エンジェル 2024 3410円、ロック エンジェル 2022 4455円、ガリュス2022 20,460円(すべて750ml)。

左から、ウィスパリング エンジェル 2024 3410円、ロック エンジェル 2022 4455円、ガリュス 2022 2万460円(すべて750ml)。



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