美味手帖
2023/05/18
新しい豆から、淹れ方、アレンジまで。進化するコーヒーの楽しみ 第1回(全4回) 世界第4位のコーヒー消費量を誇る「コーヒー好き」の国・日本。身近な飲み物であるコーヒーが近年、進化・多様化しています。個性ある豆が現れ、精製や焙煎の技術も向上。クオリティの高いコーヒーに出合う機会が増えています。そんな今だからこそ知りたいプロの淹れ方や、新しいコーヒーの楽しみ方をご紹介します。
「4:6メソッド」(詳しくは次回ご紹介)で淹れたコーヒーの明るい水色が、ガラスのカップに映える。バルズテーブルノマ(クリアー)6600円 コーヒーサーバー(参考商品)/Sghrスガハラ(スガハラショップ 青山)
コーヒーは「コーヒーノキ」という植物になる「コーヒーチェリー」の種子を原料としています。コーヒーが現在のように豆を焙煎して粉にし、煮出して飲まれるようになったのは、15世紀前後と考えられています。
そこから数百年かけて、コーヒーの文化と技術は発展を続けてきました。特にここ十数年はその進化が加速しています。
例えば、近年その名を聞くようになった「スペシャルティコーヒー」。高いクオリティと個性的な風味を持つコーヒーで、栽培から収穫、輸送、保管、焙煎、抽出まで徹底した品質管理が行われ、その価値が適正に生産者に還元されるので、無理のない良質な生産活動を維持することができます。
豆の産地や品種、生産処理、焙煎度合いなどによって、見た目や味わいが異なる。風味も果実やナッツ、ハーブ、スパイス、チョコレートなどさまざま。
さらに小規模農園がSNSを通して自ら発信することで、今まで注目を浴びる機会が少なかった豆にもスポットが当たるようになりました。そしてコーヒーチェリーから生豆を取り出す精製方法も多様化、焙煎技術も向上したことで、豆の個性をより味わえるようになりました。
コーヒーはただ苦いだけではなく、より複雑で多彩な味わいを楽しめる飲み物になったのです。
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