美味手帖
2022/12/03
驚きと感動の“美味逸品” 第8回(全29回) 料理は、言葉より雄弁にその国のことを物語ります。駐日大使公邸のおもてなしを拝見し、世界各国の料理をレストランで楽しみ、珍しいスパイスやハーブに出合える食材店を巡る――私たちの周りにたくさんある“日本の中の外国”へご案内します。前回の記事はこちら>>
“クグロフ”の語源は諸説ありますが、ドイツ語が由来といわれ、ドイツやオーストリア、歴史的に独仏双方の支配を受けたフランス・アルザス地方などに見られる菓子。
もともと、クリスマス限定ではありませんが、バターや卵、砂糖をたっぷり使った「ハレの日」の菓子として、日本でもこの季節に多く見られます。
地域で生地が異なり、ウィーンではバターケーキタイプが多く、マリー・アントワネットにも愛された味。「リリエンベルグ」のオーナーシェフ横溝春雄氏のクグロフは、修業したウィーンの名店「デメル」が採用している配合がベース。フレッシュバターを贅沢に使い、毎年注ぎ足して使うラム酒に半年ほど漬けたドライいちじくを刻み入れ焼き上げた芳醇な味わいです。
●リリエンベルグ
いちじくのクグロフ
直径15センチ 2400円。
9月~12月20日頃販売。全国発送可。電話、FAXにて注文を。
撮影/本誌・坂本正行 スタイリング/横瀬多美保 フードスタイリング/福岡直子 選・取材・文/平岩理緒
『家庭画報』2022年12月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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