美味手帖

特別においしい無添加ハムとソーセージ。樋口直哉さんが訪ねる「館ヶ森アーク牧場」

「本物印」の食材で最高の朝ごはん 第7回(全16回) 食は命をつくるもの。とりわけ一日の活動を始めるエネルギーを補給する朝ごはんには心も体も喜ぶものを食べたいものです。真っ当な食材・食品さえあれば、献立はごくシンプルでよい。理想の朝ごはんにふさわしい「本物印」の食材・食品を日本全国で探しました。前回の記事はこちら>>

「本物印」に挑む、情熱の生産者を訪ねて

朝食に欠かせない、野菜や乳製品、加工肉、海苔、納豆、卵──。毎日のことだからこそ、上質なものを選びたい。「よりおいしく」はもちろんのこと、私たちの健康と安全、そして、持続可能な地球の未来を考えた情熱の生産者を紹介します。日々の食卓に何を選ぶのか──。未来は私たちの手のひらの中にあります。

目次
1.野菜
2.牛乳・バター
3.ハム・ソーセージ
4.海苔
5.納豆

3.ハム・ソーセージ

館ヶ森アーク牧場(岩手県・一関市)

自然な色合いが美しい無添加ハムとソーセージ。それを作っているのは生き物があふれる美しい景色のなかにある牧場。優しい味わいは創業者夫妻の理念が生んだ。

館ヶ森アーク牧場(岩手県・一関市)

館ヶ森アーク牧場(岩手県・一関市)

牧場内のファームマーケットの食材を使って朝ごはんを作った作家・料理家の樋口直哉さん。

健全な豚を育て、無添加にこだわり続ける

文・樋口直哉(作家・料理家)

スーパーでハムやソーセージ、ベーコンが並んでいる加工肉コーナーに行ったら、値段について考えて欲しい。隣の精肉コーナーに並んでいる国産豚ロース肉は100グラム200円以上するはずだが、同じくらいの価格やそれよりも安いロースハムが並んでいるはずだ。

ハムやソーセージは豚肉を加工し、付加価値をつけたもの。本来は値段が高いはずなのに、そうはなっておらず、消費者もそれを当たり前に受け入れているのが現状である。安価な価格は様々な企業努力の結果ではあるが、日本のハム・ソーセージにまっとうな商品が少ない理由でもある。

ハムやソーセージの基本は「きちんと豚肉」の味がすることだ。肉の味がして、肉の食感があること。それにはまず豚肉が基本となる。アーク牧場で育てられているのは館ヶ森高原豚とアーク豚。豚肉にはいろいろな品種があるが、創業者の橋本輝雄氏が惚れ込んだ「バブコックスワイン種」がベースとなっている。

僕も仕事柄、様々な豚肉を食べるが、アーク牧場の豚肉は特別においしい。脂は軽く、甘い。繊維がキメ細かいのに身が詰まっておらずやわらかいのだ。ハム、ソーセージもこの豚肉が基本になっていて、食べるときちんと豚肉の味がして、後味が優しい。特筆すべきことは無添加という点。

「無添加でなければ私たちが作る意味がなかった」橋本輝雄氏の妻、志津さんはそう語る。創業者夫妻の「家族に安心して食べさせるものだけを作ること」という想いが結実した食べ物だ。

館ヶ森アーク牧場(岩手県・一関市)

創業者の橋本輝雄氏はもともと埼玉県で養豚を営んでいたが、さらに事業を広めるために岩手に移住。自治体、地元の人たちと山を切り拓き、1992年にはレストラン、ハーブガーデン、牧場の製品をはじめ地元産品も買えるファームマーケットが揃った「館ヶ森アーク牧場」をオープン。根底にあるのは「食はいのち」という理念。

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