美味手帖

自然と人に優しい農業を未来へ。大分県「むかし野菜の邑」の旬の野菜で朝食を

「本物印」の食材で最高の朝ごはん 第5回(全16回) 食は命をつくるもの。とりわけ一日の活動を始めるエネルギーを補給する朝ごはんには心も体も喜ぶものを食べたいものです。真っ当な食材・食品さえあれば、献立はごくシンプルでよい。理想の朝ごはんにふさわしい「本物印」の食材・食品を日本全国で探しました。前回の記事はこちら>>

「本物印」に挑む、情熱の生産者を訪ねて

朝食に欠かせない、野菜や乳製品、加工肉、海苔、納豆、卵──。毎日のことだからこそ、上質なものを選びたい。「よりおいしく」はもちろんのこと、私たちの健康と安全、そして、持続可能な地球の未来を考えた情熱の生産者を紹介します。日々の食卓に何を選ぶのか──。未来は私たちの手のひらの中にあります。

目次
1.野菜
2.牛乳・バター
3.ハム・ソーセージ
4.海苔
5.納豆

1.野菜

「本物印」に挑む、情熱の生産者を訪ねて

むかし野菜の邑の商品は、隔週または月1回の定期購入が基本。内容はお任せで旬の野菜が少量多品目届く。代表の佐藤茂行さんいわく、「届いたら、まず水にザブンとつけてください。水を吸って元気になります」。

むかし野菜の邑・佐藤自然農園 (大分県・大分市)

「本物印」に挑む、情熱の生産者を訪ねて

佐藤さんが始めた日本古来の農業は、子どもたちにしっかり受け継がれている。後列右から、長男の妻寛子さん、佐藤さんと妻の啓子さん、次女の竹内茂登子さんと夫の祐輔さん。前列は竹内家の元気な三姉妹。

日本古来の草木堆肥を復活。「むかし野菜」を未来へ

日本古来の草木堆肥を復活。「むかし野菜」を未来へ

自家製味噌に旬の野菜たっぷりの味噌汁、麦ごはん、これまた手作りの漬け物、佃煮、梅干し、すもも。日本人のDNAが喜ぶ、真に贅沢な朝ごはん。

「むかし野菜の邑」は、おそらく日本で唯一という草木堆肥のみ使用した昔ながらの有機農業の農園。除草剤などを使わない露地栽培のため、虫や雑草との戦いが過酷を極める中、100種類以上もの野菜を作っています。

代表の佐藤茂行さんが勤めていた銀行を退職して農園を開いたのは、54歳のとき。「子どもの頃に食べたおいしい野菜を作りたい」という情熱と生来の探求心から、農業関連の専門書を読み漁るうち、運命的に出会ったのが、江戸時代の農業の本でした。

「昔は化学肥料も大量の畜糞もありませんから、『草木堆肥によってひたすら土を育てなさい』と書かれていました」。

一念発起した佐藤さんは、雑木林から葉っぱを集め、草を刈り、試行錯誤の末、理想的な草木堆肥作りに成功。3年後、その堆肥を施した土から、昔懐かしい味と香り、歯ごたえのある野菜が採れるようになりました。

「草木堆肥に棲む微生物や菌類が土を耕してくれたおかげです。人間はお手伝いしているだけ。私の最大の願いは、自然と人に優しいこの農業を未来へつなげることです」。

熱く語る佐藤さんの傍らで、若い世代がきびきびと野菜を箱に詰め、発送の準備を進めます。三百余名の定期購入者のため、農園は今日もフル稼働中です。

下のフォトギャラリーから詳しくご覧ください。

Information

むかし野菜の邑(むら)

大分市大字野田字原803-1

  • TEL/FAX  097(535)7372

    注文は電話、FAX、メール。
    お試しセット少量14品目前後、3000~3500円程度(税・送料別)。農園の歴史とノウハウが詰まった佐藤さんの著書も販売中。

撮影/阿部 浩 坂本正行 スタイリング/chizu 取材・文/清水千佳子

『家庭画報』2021年9月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。

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