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美味手帖

京菓子の“今”―伝統を受け継ぎ、未来へつなぐ美しい食文化

2021.03.24

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京都の食文化を巡る 第1回

長い歴史を越えて今に息づく、京の和菓子。時代の流れと共に、緩やかに変化し、それぞれのお店が伝統を守りながら、心のこもったていねいな菓子づくりを続けています。創業210余年の菓子司「亀屋良長」を訪ね、京菓子の今と昔、さらに未来に向けた思いを伺いました。


「薫風」、「水ぼたん」、「右近左近」などの菓銘がつく春から初夏の生菓子。想像をかき立てるアーティスティックな表現が魅力。

都の文化に寄り添う、美しき京菓子の世界


和菓子の始まりは諸説ありますが、遣唐使のもたらした唐菓子、茶道文化発展期の羊羹や中国伝来の饅頭、キリスト教宣教師によって伝えられた南蛮菓子など、時代ごとに新しい素材や技法を取り入れ、発展・普及しました。


長きにわたり御所があり、豊かな地下水にも恵まれた京都には、周辺地域から質の高い原料が集まり、菓子作りにとって理想的な環境が整っていました。京の菓子は二十四節気など季節の移ろいをことさら大切にする精神のもとに育まれ、茶の湯の発展とともに洗練を極め、味覚・触覚・嗅覚・視覚・聴覚の五感で菓子から情景を思い浮かべ楽しむものとなりました。そのような発展が、他の地域では見られない独自の和菓子の文化を生み、今日に至っています。

歴史を継承しつつ多様化する和菓子


「太平の世となった江戸の元禄年間に今の和菓子の形が定着し、庶民もちょっと贅沢をしたいときにお菓子を楽しむようになったようです。その頃、文化の中心地だった京都には上菓子屋仲間(砂糖が扱える店)が246軒あったという文献が残っており、京菓子や上菓子が発展しました」と話すのは、1803年(享和3)創業の「亀屋良長」の8代目主人、吉村良和さん。

代表銘菓の「烏羽玉(うばたま)」や四季折々の生菓子は、創業時から受け継がれてきたものですが、大正時代から昭和初期にかけてはケーキも作っていたとのこと。戦後は高度成長の波に乗って商品も多様化し、観光客のための日持ちのするお菓子や。洋菓子のテイストを併せ持つさまざまな和菓子を作るようになりました。



波照間産の黒糖を使った創業時からの代表銘菓「烏羽玉」。6個入り450円。
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