〔特集〕富山・北九州・宮城 ── 世界が憧れる 新しい “鮨の聖地” へ 「鮨のメジャーリーグ」といえば、東京・銀座。ですが、ここのところ美食家の間では、日本各地をホッピングし、職人渾身の鮨を味わい、その土地ならではの風土や物語に触れるという旅への関心が一気に高まっています。地元の旬魚と、それを生かす職人の技、そして地域の未来を見据えたチームの取り組み──。「鮨」を通して、日本の食文化の現在と未来をたどる、豊かな旅へとご案内します。
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[宮城県]
最高の地魚を地元で楽しむ「伊達前鮨」、いざ出陣
仲卸と鮨職人、料理人が手を組む「伊達前鮨プロジェクト」が本格始動した宮城。魅力的なメンバーが揃うなか、今回はプロジェクトを牽引する注目の3軒を訪ねました。
伊達前と江戸前、双方の最高をここで味わう
【鮨德】(仙台市)
「同じ伊達前鮨でも、店ごとに立ち位置が違っていて面白い」と、岩沼德太郎さん。
仙台で伊達前鮨を代表する一軒といえば、5年前に開店した「鮨德」です。東京・銀座の鮨店「鮨 太一」や「鮨 竹」などで培った洗練の江戸前仕事と、極上の宮城の魚を融合させた、ご主人の岩沼德太郎さんの熟練の技が、訪れるお客様を楽しませています。
「仙台に帰って来た理由は、地元の人に本格的な江戸前鮨を食べてほしいと思ったからなんです。修業先で身につけたことを、全国の上質な魚と宮城の魚を使いながらやれたらと考えていました」
「伊達前鮨プロジェクト」に参加するようになってからは、地元のとびきり鮮度のいい白身や貝に魅せられ、しめもののかすごやあじの仕込みにも、少しずつ変化が生まれてきたそうです。ことに宮城のかすごは、まろやかな脂がのっている皮面がおいしいため、表面を2種類の赤酢でしめ、やや水っぽい身の部分は削いで使うことも。
皮面のおいしさが光るかすご
これからが旬のまこがれい(石巻)、食感のいい赤貝、金華山周辺でとれる脂ののったとろけるようなあじなど、選りすぐりの伊達前が揃う。一方で、鮨職人の矜持として譲れないこはだや、仲卸「結乃花」のまぐろは豊洲から。その絶妙なバランスは、まさにいいとこ取りといえる。
日々、そうして深化する鮨だねが修業先譲りの粒立ちのいい、輪郭のある酢飯に寄り添い、深い余韻を残します。
うまみのある日本酒で仕込んだ「蒸し鮑」はしっとりとなめらか。色気のある味わいもさることながら、スープの滋味に驚かされる。
さっとあぶったジューシーな目光も宮城産。
鮨德宮城県仙台市青葉区春日町5-16シエロ春日町2階
TEL:022(200)6220
営業時間:12時~14時、18時~22時(土曜・日曜・祝日は~21時)
定休日:月曜定休、火曜・金曜昼定休
昼おまかせ8000円(水曜・木曜のみ)、2万5000円。
夜おまかせ2万5000円 要予約
(次回へ続く。
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