〔特集〕富山・北九州・宮城 ── 世界が憧れる 新しい “鮨の聖地” へ 「鮨のメジャーリーグ」といえば、東京・銀座。ですが、ここのところ美食家の間では、日本各地をホッピングし、職人渾身の鮨を味わい、その土地ならではの風土や物語に触れるという旅への関心が一気に高まっています。地元の旬魚と、それを生かす職人の技、そして地域の未来を見据えたチームの取り組み──。「鮨」を通して、日本の食文化の現在と未来をたどる、豊かな旅へとご案内します。
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[福岡県 北九州市]
鮨こそエンターテインメントを体現する、唯一無二の「すしの都」
三方を海に囲まれた北九州市には約200軒の鮨店が集結。独自の鮨文化「小倉前」を受け継ぐ新鋭から、地元で愛される「町ずし」の名店までを訪ねます。
極上の魚をカジュアルに
すしの都は「町ずし」にも注目
次々と出る一品料理も光るクオリティ
【幸(こう)すし】(宇佐町)
「一人数万円する鮨は気軽には行けません。でも1万円程度なら、家族のごほうびとして年に数回は楽しめる。うちはそんな鮨屋でありたいんです」。そう話すのは、北九州市すし組合の会長も務める「幸すし」の原田耕治さん。創業は1964年、お母様が営んでいた店を受け継ぎ、暖簾を守り続けています。
ご主人の原田耕治さん。
席に着くと自動的におつまみが小鉢で十数品出て、その後ににぎりへと続くスタイル。
酒肴は「関門海峡たこの梅昆布」、「ごまさば」、「塩うにと赤いか」。
ガラスケースには20種類以上のねたがずらりと並びます。仕入れの多くは旦過市場から届く天然もの。昔ながらの仕事を大切にする原田さんは、かんぴょうやおぼろ、がりに至るまで手作りを貫きます。
にぎりはあじ、まぐろとろ、こち、鯛、すずき、甘鯛、鰻、いか、えび、貝柱、あわび、うに。自家製のうに塩、しじみ塩、からすみ塩を添えて。
なかでも珍しいのが鰻の刺し身。丁寧な血抜き処理を施すことで、うまみと食感を存分に楽しめる一品に。気取らず旬の魚、上質な鮨をたっぷり味わえる、北九州らしい一軒です。
即興で作ってくださった国東半島から届いた鮎で作る押しずし。昆布となじむと頭から食べられる。
幸すし福岡県北九州市小倉北区宇佐町2-13-21
TEL:093(521)3375
営業時間:11時30分~夜。閉店時間は変動するため、予約が確実
定休日:水曜定休
おつまみとにぎりをひと通りいただいて、予算1万円が目安
(次回へ続く。
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