〔特集〕富山・北九州・宮城 ── 世界が憧れる 新しい “鮨の聖地” へ 「鮨のメジャーリーグ」といえば、東京・銀座。ですが、ここのところ美食家の間では、日本各地をホッピングし、職人渾身の鮨を味わい、その土地ならではの風土や物語に触れるという旅への関心が一気に高まっています。地元の旬魚と、それを生かす職人の技、そして地域の未来を見据えたチームの取り組み──。「鮨」を通して、日本の食文化の現在と未来をたどる、豊かな旅へとご案内します。
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[福岡県 北九州市]
鮨こそエンターテインメントを体現する、唯一無二の「すしの都」
三方を海に囲まれた北九州市には約200軒の鮨店が集結。独自の鮨文化「小倉前」を受け継ぐ新鋭から、地元で愛される「町ずし」の名店までを訪ねます。
小倉前の系譜を受け継ぎ、さらなる進化を
【寿司さわ】(足原)
北九州には「小倉前」という独特の鮨文化があります。豊富に揃う魚種のなかでも、特に白身が自慢の地域ですが、そのにぎりを九州独特の醬油で食べると繊細なおいしさが伝わりにくい。そこで塩と柑橘で食べさせる小倉前が生まれました。考案したのは「天寿し」初代といわれ、その系譜は脈々と受け継がれています。
白身の魚をおいしく食べさせる小倉前の系譜だけに、ねた箱の中はおこぜ、鱧、真鯛、ひらめ、いさき、甘鯛と白身のオンパレード。
一門の最新店が2022年に田中翔平さんが開業した「寿司さわ」です。系譜とはいえ、初代から数えると曽孫弟子にあたるだけに、当初の流儀からはかなり自由。
主人の田中翔平さんは「寿司つばさ」で7年半修業して独立。店名はお父様の経営する「鉄板焼 沢」から。
「私にとっての小倉前はおいしく食べていただくための作法。こうしなくては、という縛りではないと思っています」と話すように、塩と柑橘だけでなく、薄口、濃口醬油、一味、柚子胡椒、ねぎ、しょうが、とびこなども使い分け、最適の仕立てを施します。それらをねたと酢飯の間に仕込ませるのが田中さん独自の仕事。
切り込みを入れたいかに、湯を当てて躍動感のある飾り切りに。
身が締まった「関門海峡たこ」は桜煮にしておつまみで提供。
一見なにげないにぎりですが、10年以上にわたる修業の成果が細部に垣間見られます。
にぎりの盛り込み。上左からうに、きす、あじ。中央は真鯛、車えび、下左はいか、彼岸ふぐ。
寿司さわ福岡県北九州市小倉北区足原2-10-16
TEL:050-3091-7730
営業時間:12時~13時30分、18時~19時(ともに最終入店)
定休日:土曜の昼・日曜・祝日
昼おまかせ9900円、夜おまかせ1万6500円
予約はインスタグラム
@sushi_sawa38、
TableCheckにて
(次回へ続く。
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