〔特集〕富山・北九州・宮城 ── 世界が憧れる 新しい “鮨の聖地” へ 「鮨のメジャーリーグ」といえば、東京・銀座。ですが、ここのところ美食家の間では、日本各地をホッピングし、職人渾身の鮨を味わい、その土地ならではの風土や物語に触れるという旅への関心が一気に高まっています。地元の旬魚と、それを生かす職人の技、そして地域の未来を見据えたチームの取り組み──。「鮨」を通して、日本の食文化の現在と未来をたどる、豊かな旅へとご案内します。
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[富山県]
きら星の才能が集結する「すし県」の現在地
3年前から始まった「寿司といえば、富山」プロジェクトが浸透し、日本中から鮨好きが訪れる富山県。天然のいけすといわれる富山湾の海の幸に洗練の技を施して魅了する、わざわざ訪ねる価値のある注目の3軒にご案内します。
海外で志した夢が、地元・氷見で花開く
【成希(なるき)】(氷見)
近年の氷見は、ワイナリー「セイズファーム」をはじめ、食のデスティネーションが充実しつつあります。
ここ「成希」もその一軒。店に足を踏み入れると、ゆったりとした空間に8席のカウンターが広がります。
ご家族が営んでいたコンビニエンスストアをお鮨屋さんに改装。広々とした店内は裏の調理場もゆったりとした作り。個室も2室備える。
「遠方のお客様も多いので、都会では味わえないような空間でくつろいでいただきたいと思って」と話すのはご主人の滝本成希さん。
音楽関係の仕事をしたいと25歳でロンドンへ渡り、アルバイト先の日本料理店で鮨と出合いました。帰国後は「銀座 久兵衛」で修業を積み、日比谷「鮨なんば」を経て2022年に故郷で独立開業を果たしました。
氷見漁港までは車で5分とかからない場所にある。
ねたのほとんどは氷見産。羽釜で炊く酢飯には富山の在来種「銀坊主」を使い、古代米の赤酢と金沢の純米酢を合わせるなど、オール北陸産でにぎります。
ねた箱は上左からとり貝、まぐろ3種。下左から赤いか、のどぐろ、あじ、まごち、ひらめ。能登のとり貝以外は氷見産。
きじはたの煮物は最後に薄く引いただしをかける。
岩がき、越中ばい貝、とり貝。岩がきは殻から外し、10分ほどいることで水分がとんで、濃厚な味になる。
「2026年は白えびもホタルイカも上々。夏は氷見まぐろや岩がき、こち、かれいがおいしくなります。揚がった魚をすぐに手当てしてにぎれるのが、氷見ならではのご馳走です」。
にぎりの一例。この季節、氷見の定置網によく入るというまぐろ。この日は50キロほどのサイズ。大とろといえども脂がしつこくない。

のどぐろはあぶって。白えびは1かんに25~30尾を握る。
黒を基調としたシックな外観。
成希富山県氷見市幸町32-31
TEL:0766(74)5151
営業時間:18時~22時(20時最終入店)。不定休
おまかせ2万円~
要予約
(次回へ続く。
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