〔特集〕記憶に刻まれるひと皿と出合う 新・感動ダイニング 誰もが知る人気シェフが新たに手がける話題のレストランから、美食家が贔屓にするアラカルトの実力店、その一皿のために足を運びたくなる未来のスターの店まで、2026年に訪ねたい心華やぐ美食の聖地にご案内します。
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世界の食通を魅了する日本のレストラン
以前より元気がないといわれる昨今の日本。しかし美食の分野では、世界から注目される存在であり続けています。一つの技を極める探究心、確かな技術に基づく応用力、自然の風土や季節を一皿に込めるセンス、そして心地よいひとときをもたらすためのこまやかなホスピタリティ……。
料理人をはじめ生産者やサービスマンに至るまで、プロフェッショナルたちの技が最高の食体験を創出しています。都心の有名店のみならず、親しみやすいレストランや地方の知る人ぞ知る店まで、世界の美食家が押し寄せる前に味わっておきたい最高の一皿、最高の料理店にご案内いたしましょう。
特別な日の目的地にしたいメゾンへ
洗練された技を味わうだけでなく、メゾン全体に流れる非日常感もレストランを訪ねる醍醐味です。この一年で東京に誕生した注目の3軒を訪ねました。
mærge(東京・南青山)
頂点に挑む、新時代のグランメゾン
2025年6月、青山の裏路地に開業した「マージ」は、わずか3か月でミシュラン1つ星を獲得した注目店です。
左官職人による土壁と木のぬくもりが心地よい店内は実にエレガント。現代の名工が特別にあつらえたテーブルと椅子がゆったりと配され、ディナーへの期待感を高めてくれます。
有機的な曲線がエレガントな店内。
「東京で日本人がフランス料理をつくる意味を問い続けている」というシェフの柴田秀之さんは、冬ならば熊肉、夏ならばそうめんといった日本独特の食材も多く使用。それらと軽やかなソースやフォンを組み合わせ、「マージ(余白)」という店名のとおり、自由に現代のフランス料理を表現しています。
右からメートルドテルの高橋淳一さん、シェフの上岡彰彦さん、オーナーシェフの柴田秀之さん、シェフパティシエの奧村充也さん、ディレクター兼ソムリエの飛田泰秀さん。
また、格式あるフランス料理店ならではの “ゲリドンサービス” もさまざまなシーンで登場。その場に立ち上る香りや、目の前で切り分けるライブ感、好きなものを選ぶ楽しみもご馳走です。
ゲリドンサービスで供される「キャレ・ド・ブール」は焼きたてのクロワッサンに、キャビアやパテなど好みの具材を選んでサーブしてもらうスタイル。
柴田さんが “これ以上ない精鋭” というメンバーとともに “頂点” を目指すレストランは、研ぎ澄まされ、洗練された世界を楽しみつつ、リラックスして食事ができるのも魅力。
この日のメインは、北海道・留辺蘂(るべしべ)牛を米麴で2週間熟成させ、薪火で焼いたもの。ソースは、発酵クロモジと牛のフォン。メインの肉に合わせるワインペアリングはボルドーとブルゴーニュの2種が登場。
アダムとイブの物語を表現した「禁断のリンゴ」。竹炭で色づけした黒い飴細工には、カルバドスのムース、りんごのタタンが入っている。
「マージ」は、まさしく今の時代の “グランメゾン” です。
マージ東京都港区南青山3-8-14 VORT南青山III 1階
TEL:03(6910)5615
営業時間:12時~、18時~の2部制
定休日:日曜・月曜
予算:コース3万6300円~
(次回に続く。
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