〔特集〕東京・京都・大阪&全国各地から厳選 いま訪ねたい “鮨” の新名店 世界中の美食家たちが、鮨を楽しむ旅の目的地としてこぞって日本を訪ねる時代。職人の技が冴える鮨を私たちが本当に心地よく味わえる、新たな名店を厳選してご案内します。
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技に価格に “良心” が宿る精鋭店へ
味よし、人よし、雰囲気よし。そして価格も良心的。鮨を味わう本来の「喜び」をもたらす東西の佳店へ、春から初夏の旬を味わいに出かけましょう。
鮨 優羽(京都・高辻通)
伝統にのっとった経験と科学との融合が導く味
大学で水産学を学び、企業で食品科学研究員として従事した後、料理の世界に入ったご主人の小坂井朗至さん。和食店からはじまり、「ザ・リッツ・カールトン京都」の鮨カウンター、「すきやばし次郎」の流れを汲む青山の「鮨ます田」で研鑽を重ね、2024年8月に店をオープン。
魚の生態まで知る豊富な知識やホテル仕込みのホスピタリティを強みとし、江戸前の仕事と独自の工夫をこらしています。
手前から、たっぷりの薬味を巻いた「いわし海苔巻」。火を入れた卵黄だれをからめていただく、ぼたん海老のづけ。上にはぼたん海老の卵がのる。
温かい一品として出される「ふかひれ餡の茶碗蒸し」。
「京都という土地でやる意味も考え、酢飯は、東京のきりっとした味を保ちながらも少量の赤酢を加えてまろやかに。たねは江戸前の技法に沿いつつ、より魚のうまみを引き出せるよう試行錯誤して、いつも意図を持った仕事を心がけています。そのぶん、一品、あては枠にとらわれず自由に」。
たねの個性に合わせ、にぎり加減や酢飯の量を調整。
手前右から、きめ細かい玉子、それぞれの煮つめで味を深める煮あなごと煮はまぐり。奥は赤貝、塩と昆布でしめたきすは黄身酢のおぼろで程よい味に。
煮はまぐりは低温で柔らかく炊いてから味つけしただしにひたし、味を含ませる。
お客様の前で仕事をする臨場感や反応がすぐに返ってくるのが鮨のいいところで、最高のやりがいを感じるとも。鮨店には珍しく天井が高くゆったりとした空間で、和気あいあいと過ごせます。
小坂井朗至(こざかい・あつし)1981年生まれ 獅子座 A型 愛知県出身 座右の銘/得るは、捨つるにあり 学生時代の部活/サッカー部、日本文化部
快適な空間に改装されたカウンター。
高辻通から少し奥まったところ、蔵を備えた一軒家。
鮨 優羽(すし ゆうわ)住所:京都市下京区高辻通室町西入ル繁昌町305-3
TEL:075(585)2516
営業時間:18時30分一斉スタート
定休日:不定休
予算:おまかせ2万2000円
要予約
(次回に続く。
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