〔特集〕東京・京都・大阪&全国各地から厳選 いま訪ねたい “鮨” の新名店 世界中の美食家たちが、鮨を楽しむ旅の目的地としてこぞって日本を訪ねる時代。職人の技が冴える鮨を私たちが本当に心地よく味わえる、新たな名店を厳選してご案内します。
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技に価格に “良心” が宿る精鋭店へ
味よし、人よし、雰囲気よし。そして価格も良心的。鮨を味わう本来の「喜び」をもたらす東西の佳店へ、春から初夏の旬を味わいに出かけましょう。
一宇(東京・神楽坂)
名店仕込みの和食と鮨の贅
スパイスが香るたこと黒豆の煮物など洋のアレンジが光る料理も盛り込んだ八寸や、しみじみとだしのうまみが広がる「クエしゃぶと葛豆腐のお椀」のように、割烹料理店にも引けを取らない逸品が鮨とともにコースを飾る神楽坂「一宇」。
「クエしゃぶと葛豆腐のお椀」。真昆布のこくのあるうまみに天草産のクエの力強さが合う。
それもそのはずで、ご主人の濱野紘一さんは、熊本「鮨 仙八」をはじめ「赤坂菊乃井」や「銀座小十」など鮨、日本料理の一流店で研鑽を積んだ実力派です。
「刺し身の延長」という立ち位置で提供するにぎり鮨は、先付、お椀、お造りと続くコース前半の締めとして登場します。鮨だねもただ切り付けるだけでなく、あおりいかは粗めに大葉とたたいて甘みを出すなどのひと手間も。
日本料理の名店仕込みの季節料理の間に、にぎり鮨で魅了する二刀流。鮨も料理もしっかり楽しみたい日に。手前左からあおりいかと大葉のたたき、かすご、こはだ、ねぎとろの軍艦巻き、車海老のにぎり鮨。奥はにぎりの後に出される八寸。手前左から時計回りにキャビア豆腐、たこと黒豆のスパイス煮、帆立貝と旬菜のおひたし、いちごと金柑のゴルゴンゾーラ白あえ。
「ご飯ものが続くので、揚げ物は控えるなど料理は軽めを心がけています」とご主人。鮨と割烹料理の双方を味わう醍醐味をぜひ。
締めは「熊本産地牡蠣と燻製したひじきの炊き込みご飯」。地牡蠣は小粒ながら濃密。ご飯の炊き上がりに合わせることで、その持ち味を生かし、楽しませてくれる。
濱野紘一(はまの・こういち)1985年生まれ 蟹座 A型 静岡県出身 座右の銘/気合と根性 学生時代の部活/空手部
8席の上質な空間。一宇とは “一つ屋根の下” の意味。その名のとおり、屋根状になった天井が印象的。
一宇(いちう)住所:東京都新宿区神楽坂2-22
TEL:03(6280)7047
営業時間:17時~23時
定休日:月曜・木曜
予算:おまかせ2万4000円
要予約
(次回に続く。
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