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酸味が際立つ酢飯が印象的。鮨好きが足繫く通う「鮨 みずかみ」

2025.04.16

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〔特集〕東京・京都・大阪&全国各地から厳選 いま訪ねたい “鮨” の新名店 世界中の美食家たちが、鮨を楽しむ旅の目的地としてこぞって日本を訪ねる時代。職人の技が冴える鮨を私たちが本当に心地よく味わえる、新たな名店を厳選してご案内します。

特集「鮨の新名店」の記事一覧はこちら>>>

技に価格に “良心” が宿る精鋭店へ

味よし、人よし、雰囲気よし。そして価格も良心的。鮨を味わう本来の「喜び」をもたらす東西の佳店へ、春から初夏の旬を味わいに出かけましょう。

鮨 みずかみ (東京・一番町)
きりっとした酢飯、テンポよい鮨に満ちる江戸前の矜持

通い続けたい心地よい店には、ご主人や女将さんを支えるスタッフの笑顔がある。「鮨 みずかみ」のご主人・水上行宣さん(中央)と女将の雅子さん(右から3人目)

隅々にまで目配りのきいた清々しい店内に足を踏み入れると、凜としてつけ場に立つご主人の水上行宣さんの柔らかな笑顔が温かく迎えてくれます。

ここ「鮨 みずかみ」は、知る人ぞ知る鮨好きが足繁く通う店。「すきやばし次郎 六本木ヒルズ店」で15年間研鑽を積んだ、ご主人のにぎりは流麗で美しく、口に運ぶとはらりとほどけ、ふんわりと柔らか。 ことに印象に残るのが、きりりと心地よい酸味が際立つ酢飯です。


昨今多くなった、熟成が長く色の濃い赤酢は修業先同様使わず、数種類の米酢をブレンド。お米をおいしく感じる、食べ疲れしない人肌の酢飯と、緻密で丁寧な “手当て” を施した鮨だねとの一体感を大切にしています。

徳島の鳴門漁師・村 公一さんのすずきは軽く塩じめに。しっとり柔らかなかすご、程よい酸味のまぐろ赤身は、豊洲市場の「結乃花」から。ほっき貝は内側だけを香ばしくあぶる。車海老は香りと甘みが引き立つよう、ゆでたてをにぎるなど、丁寧な仕事が光る。

ゆったりとした8席のカウンターは、ご主人と総料理長・根崎正実さんの二人体制という贅沢さ。お客様のペースに合わせて、阿吽の呼吸で供される江戸前鮨の粋と醍醐味に、緩やかな時間が過ぎていきます。

昆布じめのさよりに明太子をからめた、「さよりとたらの芽の真砂和え」は、うまみたっぷり。選りすぐりの日本酒と楽しみたい。

程よい甘さの柚味噌と、赤貝の爽やかな歯ごたえが心地よい「赤貝の柚味噌かけ」。

持ち帰り用のしっとりと甘い「節句ちらし」1万6200円。かんぴょう、おぼろ、あなごきゅうり、梅しそたくあんが入った「細巻き4本セット」5000円。

水上行宣(みずかみ・みちのぶ)
1975年生まれ 双子座 O型 大阪府出身 座右の銘/為せば成る 学生時代の部活/陸上部

向かいは緑豊かな駐日英国大使館という閑静な場所。清々しい店構えに期待が高まる。

鮨 みずかみ
住所:東京都千代田区一番町3-8 大宮ビル1階
TEL:03(3230)0326
営業時間:12時~14時30分、夜は17時30分~19時20分、19時30分~の2部制
定休日:火曜・水曜
予算:昼2万円~。夜2万7000円~ 要予約。

(次回に続く。この特集の記事一覧はこちらから>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2025年05月号

家庭画報 2025年05月号

撮影/本誌・西山 航 取材・文/瀬川 慧

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