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2022/10/06
「心を調える」秋 京都で新体験 第22回(全30回) 時代の変わり目、何かと心がざわめき、心が調(ととの)わないと感じる日々が続きます。今、私たちに必要なのは、心をからっぽにし、頭を整理する時間です。自分の心に、自分の人生に深く残る何かを求めて、日本の心の原点、京都に旅立ちます。前回の記事はこちら>>
注目の新店をご紹介します。旅のプランに合わせて選ぶ美味処で、古都の秋をご堪能ください。
手前から、浜松の幻の蟹といわれる「どうまん蟹のネギ生姜炒め」、京都・亀岡の「七谷鴨の山東風香味揚げ」。蟹は身が詰まって濃厚。蒸して丸揚げしたジューシーな鴨は目の前でカットして出される。
テーブル席をオープンキッチンのカウンターに改装し、2020年11月に新たなスタートを切った「京、静華」。
「一人で仕事がしやすいようにカウンターに替えました。調理の様子もお楽しみいただけて、私もお客さまから刺激を受けています」とご主人の宮本静夫さん。自身の仕事に常に真摯に向き合う40余年のキャリアを持つ大ベテランであり、70歳になった今も洗練の味で多くの人を魅了し続けています。
京都に店を開いて14年、アーチ形のカウンターで料理をする宮本静夫さん。
旺盛な探究心によって料理は年々研ぎ澄まされ、定番のお刺身サラダは食感の違いと彩りの美しさでバージョンアップ。山東省の郷土料理の鴨の香り揚げは素材やスパイス、火入れに注意を払い、野趣味を深めています。また、特別な食材が手に入ったときは、それを取り入れたコースが自在に組み立てられます。
常連客が何より楽しみにしているのは、塗りの椀で出されるスペシャリテの「ふかひれの姿煮」。季節により調理法が変わり、何度いただいても感動する唯一無二の逸品です。
京都市左京区岡崎円勝寺町36-3
TEL | 075(752)8521 |
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営業時間 | 18時(一斉スタート) |
定休日 | 月曜・火曜定休 不定休あり |
コース1万9800円〜、ふかひれ料理はプラス7000円
01 京都で新体験
03 中村隼人さんが実践!掃除は「動く禅」、松山大耕さんに学ぶ“禅の教え”
06 辻留 京都店主人・平 晴彦さんに学ぶ。「紅葉狩り弁当」作りの心得 三か条
07 折詰に料理を詰める際のコツも。“紅葉狩り弁当”の盛りつけ手順
08 辻留 京都店主人に教わる「“紅葉狩り弁当”献立レシピ」
10 植治次期12代 小川勝章さんに学ぶ。庭の骨格は、石と常緑樹にあり
14 京都在住の著者がすすめる「あまり知られていない、とっておきのスポット」6選
16 京都在住の著者がすすめる「女性同士で行くのにとっておきのバー」
21 秋の味覚を揚げたての天ぷらで。京都・西陣の志高い一軒「天若」
撮影/伊藤 信 取材・文/西村晶子
『家庭画報』2022年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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