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鞍馬寺門前の名店「雍州路」。京都通なら店名の由来を知っておいて損はなし

随筆家 大村しげの記憶を辿って 私だけの京都へ 第23回「雍州路(ようしゅうじ)」

随筆家 大村しげの記憶を辿って かつて、京都の「おばんざい」を全国に広めたお一人、随筆家の大村しげさんをご存じでしょうか。彼女の生誕100年となる今年、書き残された足跡を訪ねて、生粋の京女が認めた京都の名店や名品をご紹介します。毎週金曜更新。記事一覧はこちら>>

京都を旅するにあたり、京都ならではの場所や味に出会うために、私たちはなにを拠り所とすればよいのでしょうか。京都の情報を多数書き残した、随筆家・大村しげさんの記憶は、まさに京都を深く知るための確かな道しるべ。今回も彼女にまつわる名店を辿ります。

大村しげ大村しげ
1918年、京都の仕出し屋の娘として生まれる。1950年前後から文筆をはじめ、1964年に秋山十三子さん、平山千鶴さんとともに朝日新聞京都版にて京都の家庭料理や歳時記を紹介する連載「おばんざい」を開始。これをきっかけに、おばんざいが知れ渡り、大村しげさんも広く知られるようになる。以来、雑誌や著書で料理、歴史、工芸など、幅広く京都の文化について、独特の京ことばで書き残した。1990年代に車いす生活となったのを機にバリ島へ移住。1999年、バリ島で逝去。 撮影/土村清治

鞍馬寺門前で山菜料理に舌鼓

京都駅から電車を乗り継ぎ、約1時間で鞍馬に到着。京都観光のリピーターなら、こちらへ足を運んだ方も少なくないでしょう。観光の要である鞍馬寺は、1200余年の歴史を誇り、牛若丸(源義経の幼名)が天狗と修行をした寺との言い伝えでも知られます。

鞍馬寺の仁王門。大村さんは京阪電車と叡山電車を乗り継ぎ、叡山電車終点の鞍馬へ出かけていました。

山菜を使った料理の名店

今回、紹介する鞍馬寺門前の「雍州路(ようしゅうじ)」は、50年近く続く食事処。おいしい精進料理が食べられると人気です。

大村しげさんの著書に、雍州路とは、丹波と京の都を結ぶ鞍馬街道の呼び名であるとも紹介されています。約30~40年前、彼女は数々の著書で、こちらの山菜を使った料理について次のように記述しました。

周囲の風景になじむ、古風な雍州路の外観。

「こちらの山菜のお膳が、わたしは大好きで、これをいただかずには帰れない」(『ほっこり京ぐらし』淡交社)。

「ご飯を一口ほおばっただけで、そこに心があることを知る。(中略)目に見えないところで気がつこうてあって、それが味に出ている」(『とっておきの京都』主婦と生活社 ※秋山十三子さん、平山千鶴さんとの共著)。

『とっておきの京都』で「炉を切った民芸調の構え」と大村さんが書いた店内は、うれしいことに昔と変わらず。店内に飾られた民芸品の数々は、眺めていても飽きません。

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