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大原千鶴の心に残るレシピ「新米のごはん」

2019.11.01

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私の心に残る味 11月

大原千鶴「新米のごはん」

食欲の秋。一番の楽しみはピカピカの新米ごはんです。米は主食であり、醬油、味噌や日本酒などの基でもあります。日本料理はお米なしでは成り立ちません。毎日でも食べたい、ごはんこそ大切なソウルフードです。新米ごはんとさわらの幽庵焼き、粕汁白いごはんを引き立てる、お魚の焼き物と粕汁。こっくりとした味わいが深秋にふさわしい。詳しいレシピは次ページ>>

料理・文/大原千鶴


お料理の仕事をしていると「最後の晩餐は何にしたいですか?」とか「食べるものの中で何が一番好きですか?」という質問をよく受けます。

その時私はだいたい決まって「ごはんです」と答えます。お酒も好きな私があまりに普通の答えをするのが意外なのでしょう。皆さん「へ〜っ」とおっしゃいます。

そうですね、お酒に合う珍味のようなものは美味しいですが、たまにいただくから美味しいのであって、毎日の暮らしの中で大切にしたいものはやっぱりごはんです。

日本食は特にごはん(米)で成り立っていると思います。お味噌もお醬油も麴がないといけません。お酢だってそうです。米麴がとても大切な役割を果たしています。

麴はもちろんお酒にも使いますし、お漬物に使ったりあま酒にして飲んだり、ありとあらゆるところで使われています。

普段でも麴漬けのお漬物でお酒をちびりちびりと味わったり、お醬油のかかった焼きおにぎりをほおばったり、白味噌たっぷりのお雑煮をいただいたり、気がつけばもうどこまでもお米です。

小さい頃は実家にまだおくどさんがありましたから、朝はごはんが炊ける匂いで目が覚めます。

おくどさんにかけられたお釜からもうもうと湯気が立ち上がって、お釜の蓋を開けたらさぁーっと白いおネバがうす衣のように釜肌に立ち上がって、それをお櫃ひつに移して炊きたてをいただく。

たいしたおかずはなくても炊きたてのごはんがあれば身体中に力が満ち満ちていく。そんな気持ちになりました。

時にはパンが朝ごはんのこともありましたが、パンを食べたあとでも、やっぱり一口でもごはんを食べないと落ちつかなくて、ごはんを食べては、皆に笑われていました。

とはいえ、今は年齢もいってそんなにたくさんいただくわけではないのですが、やっぱり一食一食のごはんを大切に思いますし、お釜は無理でも、なるべく毎食炊きたてごはんを食べられるように工夫しています。

本当に大切な日本の文化がお米には詰まっていますから、一粒残さず大切にいただきたいですね。

最近お米離れが話題になっていますが、家族の健康はごはんがあってこそです


11月はお茶でいうと口切にあたり、急に秋深まる心持ちがします。新米がでてごはんがことのほか美味しく、お魚の焼き物といただくとまさに至福。

「夏は塩がちに、冬は醬油がちに」とは茶懐石の味付けの心得ですが、寒くなると醬油のこっくりした味がいいものです。

今月は秋の深まりを意識した献立です。粕汁はこれからが本番です。

豆腐なますもごまをたっぷりとちょっと濃厚に仕立てましょう。かぶと豚肉のスープは、塩豚にして作るとさっぱりとしながら味わいは複雑になります。
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