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大原千鶴の心に残るレシピ「筍と牛肉の木の芽焼き」

2019.04.11

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私の心に残る味 4月

筍と牛肉

筍はまるで春の生命力を背負っているかのようです。その峻烈な香り、独特の甘みとえぐみ、歯ざわり・・・・・・。旬真っ只中の味を余すところなくいただきましょう。詳しいレシピは次ページ>>

筍と牛肉の木の芽焼き


料理・文/大原千鶴


筍と聞けば思い出すのが「孟宗もう出た、淡竹早(はちくはよ)出た、真竹まだ出ん」、ダジャレのようなこんな言い回しです。これは関西の山間地区だけで使われている言葉なのかも知れませんが、この言葉通り、春を真っ先に知らせてくれるのが「孟宗竹」の筍です。

京都では洛西にある塚原のものが最高級品として知られています。1年を通して竹林の手入れをし、ふかふかの土のなかで大切に育て、収穫するこの筍は、白くて柔らかくて切り口からほんのりと甘い香りがします。

ご存知の通り、日に当たるとえぐみが出るので、穂先が出るか出ないかの状態で大きな専用の鍬(くわ)で収穫され、即出荷。朝掘りのものを高級料亭さんがこぞって買われます。

一方その後に出てくる「淡竹」は、ずんずん伸びて地上に出たものを使います。アクが少なく、あっさりした味わいで、ちょうど同じ時期に収穫される山蕗と炊くのが日常のおかずでした。

ほかに生節も一緒に炊いた「淡竹と山蕗と生節」もよくいただきました。この頃はカツオの時期ですが、山間地域まで足の早い生のカツオは入ってきません。一旦蒸して火を通したものは日持ちもしますから、5月、6月は生節がよく食卓に上りました。

お味はよいのですが、やはり火を通したカツオはパサパサとしていて、子供の頃の私はちょっと苦手でした。なのに今になってスーパーでたまに生節を見かけると、懐かしくて食べたくなる。面白いものですね。食体験にはその人それぞれの歴史のようなものがありますから。

その後「真竹」がやっと出てくるのですが、こちらも地表に出たものを収穫します。お恥ずかしい話ですが、根元のほうを足で「がんっ」と蹴って折れた筍を採るのですが、これがまた本当に面白い。あちこちに出ている筍を乱暴者のように蹴り散らかして収穫。スカッとします。

ほかには根曲がり竹や熊笹の筍なんかも食べます。熊笹の筍はマッチ棒ほどの細さ。ゆで上がったものをむくとその色の美しさに心が震えます。

自然の営みの美しさと美味しさを感じるもの。それが私にとっての筍です。
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