〔特集〕美食の地 スペイン・バスクから届いた絶品ピンチョスレシピ <自由に楽しむ “一口の美味” ピンチョスの法則> ピンチョスは、スペイン北部バスク地方の美食都市、サン・セバスティアンのバルを中心に広まった、小ポーションの料理です。語源は “刺す” で、オリーブやアンチョビなどを楊枝で刺したものが元祖ですが、やがて独創的なモダン・ピンチョスが登場し、多彩に発展。パンにのせる、串に刺す、小皿やグラスに盛ったものもピンチョスとして定義されています。そして、大切なことは、一口で食べられるサイズでありながら、素材、ソース、付け合わせまで含めて、一品料理として完結していること。とはいえ、そんなに難しく考える必要はありません。おつまみ、軽食、ホームパーティなど、さまざまなシーンで活躍する、気軽に作れて絶品なバリエーションをご紹介します。
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スペイン・バスクはこんなところバスク地方はスペイン北部とフランス南西部にまたがる地域で、フランス側を北バスク、スペイン側を南バスクとも表現する。スペインは、17の自治州と2つの自治都市から成り、バスク自治州はスペイン語とは異なる独自の言語であるバスク語を公用語の一つとする。
2.ピンチョスの3法則
[ 串に刺して ]
ピンチョスの元祖をご家庭でもぜひ親しんで。料理に合わせて、長い串と短い楊枝を使い分けましょう。
フライパン焼きでつぶ貝の食感とうまみ、ズッキーニのジューシーさ、ねぎの甘みが三位一体となった串に
【つぶ貝とズッキーニ】
材料(すべて適量)と作り方(1)つぶ貝にたっぷり塩をふってもみ、水で洗う。これを3回ほどくり返し、粘りと黒ずみを取る。2パーセントの塩分の湯に入れ、再び沸騰させてから約2分ゆでる。取り出して冷ます。
(2)ズッキーニを長さ3センチ、厚さ1センチの板状に切る。長ねぎも長さ3センチに切る。
(3)串に、つぶ貝、ズッキーニ、つぶ貝、長ねぎ、つぶ貝の順に刺す。両面に塩をふる。
(4)フライパンにオリーブオイルをひいて中火にかけ、串を置く。焼き色がついたらひっくり返し、彩り野菜ビネガーソース(※作り方は下参照)をかける。ひと呼吸おいて完成。
バルの定番
【ヒルダ】

緑オリーブ、アンチョビ、ギンディージャの組み合わせ。サン・セバスティアンのバルのお客さんが、別々の皿にあった3種を楊枝に刺して一緒に食べたことから誕生した元祖ピンチョスであり、今ではどこのバルでも見られる永久定番。
材料(1本分)と作り方(1)アンチョビフィレ1枚は、キッチンペーパーで油を取る。ギンディージャ1本は、へたを切り落とす。
(2)楊枝に緑オリーブ(種なし)2個と(1)を順に刺す。
<串に刺してパンにのせる>
プリッと香ばしい海老を酸味とにんにくが効いたソースで
【海老の串焼きドノスティア風】
※ドノスティアはバスク語でサン・セバスティアンのこと。材料(2本分)と作り方(1)海老(無頭ブラックタイガーなど)6尾の殻をむいて背わたを取り、串に3尾刺して両面に塩少々をふる。
(2)フライパンにオリーブオイル適量をひいて中火にかけ、(1)を置く。焼き色がついたらひっくり返し、軽く焼いて、彩り野菜ビネガーソース(※作り方は下参照)適量をかける。
(3)バゲット(厚さ1.5センチに切る)2枚をオーブントースターで焼く。
(4) (3)に(2)をのせる。
ジューシーなマッシュルームのオイルがしみ込んだバゲットも美味
【マッシュルームのプランチャ】
材料(4本分)と作り方(1)マッシュルーム12個の軸を根元から抜き取り、表裏に塩適量をふる。
(2)海老(無頭ブラックタイガーなど)3~4尾の殻をむいて背わたを取り、長さ2.5センチに切る。両面に塩適量をふる。
(3)フライパンにオリーブオイル適量をひいて中弱火にかけ、マッシュルームの内側を下にして入れ、焼き色がついたらひっくり返す。30秒後に海老を端に入れ、片面が焼けたらひっくり返して反対の面も焼く。アヒージョ風味オイル(※作り方は
こちらを参照)適量をマッシュルームの内側や海老にかけて(下写真)、40秒ほど加熱する。

(4)バゲット(厚さ2.5センチに切る)4枚をオーブントースターで片面のみ焼く。
(5)バゲットの焼けた面を下にして皿に置く。マッシュルームの内側を上にして3個重ねてバゲットにのせ、海老を1~2切れ置き、上から串を刺してバゲットの底面まで貫通させる。
バスクおつまみの万能ソース
スペイン料理はもちろん、さっぱり味は焼肉のたれにも
【彩り野菜ビネガーソース】
●材料(約480グラム分)[A]
玉ねぎ…150グラム にんじん…50グラム 赤パプリカ…50グラム
にんにく…7グラム 穀物酢…40ml りんご酢…40ml
E.V.オリーブオイル…200ml レモン汁…10ml
塩、オリーブオイル…各適量
●作り方(1)Aをみじん切りにする。にんにくもみじん切りにする。

(2)鍋にオリーブオイル、にんにくを入れて弱火にかけ、香りが出たら玉ねぎを加え、塩ふたつまみをふって中弱火で炒める。2分後ににんじん、その3分後に赤パプリカを、時間差で順に加え、そのつど塩ひとつまみをふる。
(3)野菜に火が入ったら、穀物酢とりんご酢を加え、沸騰したら火を止め、E.V.オリーブオイルとレモン汁を加える。

中武 亮(なかたけ・あきら)函館のスペイン料理店「レストラン バスク」で6年間、深谷宏治氏に師事。スペインへ渡り、バスクの名店で3年間研鑽を積む。2021年より、三重県多気町のVISON(ヴィソン)内「IZURUN(イスルン)」の総料理長を務める。
中武 亮シェフのバスク愛が詰まった入門レシピ集
『バスク料理入門』世界文化社刊/2750円ピンチョスからメイン料理、デザートまで、身近な食材で楽しめるレシピを紹介。バスク地方の基礎知識や美食スポット案内にも注目。
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中武シェフの店もある多気町のVISONには、本場さながらのバルが軒を連ねる「サンセバスチャン通り」がある。
(次回へ続く。
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