〔連載〕栗原心平のおもてなしレシピ「心平レストラン」へようこそ “発酵の世界”を旅し、菌と人を繫ぐ語り手である小倉ヒラクさんをお迎えし、暑さで鈍った心身を立て直す「発酵メニュー」を栗原心平さんが披露します。
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第4回(後編)
発酵の力で元気に夏を乗り切る
ゲスト・小倉ヒラクさん(発酵デザイナー)

手土産や、心平さんが試作した保存時期違いの野菜醬油麴の試食で盛り上がる。
「発酵好きに誘われて、世界中の未知なる食と酒を探求しています」(小倉さん)
「食文化を辿る旅、いつか一緒に」(栗原さん)
K 続いて「鶏だしの酒粕スープ」を。夏野菜でさっぱりさせ、でも、熟成酒粕で味の深みを出し、鶏むね肉のゆで汁でうまみを加えました。
O おいしい! 東北にはない新しい粕汁で、複雑なマレーシア料理のよう。
K ヒラクさんは世界中の発酵文化を探っていますが、驚いたお酒は?
O ネパールのトゥンバかなぁ。キビなど穀物を発酵熟成させたものにぬるい湯を注ぎ、ストローで飲むお酒です。
K ストローで飲む!?
O 殻が口に入るから(笑)。ぬるま湯で割った乳酸菌飲料みたいでおいしい。
K いつか試したいなぁ。
O 先日、沖縄の多良間島の神事を調査し、5日間漁師さんと泡盛を飲み続けて。歌い、飲み、漁に出る。日本古来の儀礼の原型を見た気がしましたね。
K どうしたらそんな依頼が来るの?
O 世界中の発酵好きから「うちの国の変なものを見に来て」と誘われる。
ヒラクさんが差し入れた「発酵デパートメント」で扱う品々。「僕の拠点、山梨に遊びに来ていただきたいので、山梨しばりで」。
K ヒラクさん、面白いなぁ。興味の起点は食ですか、風土ですか?
O 文化人類学と食いしん坊、その両方ですね!
おもてなしコース②
鶏だしの酒粕スープ
爽やかな酸味と濃厚なうまみが心身に沁みわたる。真夏の粕汁、これからの定番に
材料(2人分)トマト………大1個
オクラ………5本(40グラム)
なす………1本(100グラム)
オリーブ油………大さじ1
鶏のゆで汁(「腐乳棒棒鶏」の作り方3参照)………700ml
酒粕(練り粕)………大さじ2
味噌………大さじ1
作り方(1)トマトは湯むきして3センチ角に切る。オクラはガクのかたい部分を削り、3等分の斜め切りにする。なすは3~4センチ大の乱切りにする。
(2)鍋にオリーブ油を熱し、なすを中弱火で焼く。返しながら全体にこんがりと焼き色がつくまで焼く。
(3)オクラを加えて炒める。表面の色が鮮やかになったら、鶏のゆで汁を入れた鍋に加えて温め、酒粕、味噌を溶かし入れる。
(4)トマトを加えて温める。軽くつぶしながら全体をなじませ、火を止める。
おもてなしコース③
腐乳棒棒鶏(バンバンジー)
中国の発酵食品「腐乳」を特製ごまだれに。こく深いたれ、しっとりした鶏肉にきゅうりのせん切りが、涼感をプラス
材料(2人分)鶏むね肉………400グラム
きゅうり(せん切り)………1本分
【A】
水………700ml
酒………100ml
塩………小さじ2
砂糖………小さじ1
【B】
腐乳………30グラム
白練りごま………大さじ2
醬油………小さじ2
砂糖………小さじ2
水………大さじ1
ピーナッツ(粗みじん切り)………適量
香菜………適量
作り方(1)鶏むね肉は皮を取り除き、厚さを半分に切る。きゅうりは2ミリ幅のせん切りにし、水にさらしてから水気をきる。
(2)厚手鍋に【A】を入れて中火にかける。沸騰したら鶏肉を入れ、再び沸いたら火を止める。蓋をして40分ほどおき、中まで火を通す。
(3)鍋から鶏肉を取り出して、氷水を当てて冷やす。ゆで汁は「酒粕スープ」用に取っておく。
(4)鶏肉の粗熱が取れたら、手で食べやすい大きさに裂く。
(5)ボウルに【B】を混ぜ合わせる。ピーナッツは密閉袋などに入れ、麺棒で粗くたたく。
(6)器にきゅうりを敷いて、(4)の鶏肉を盛る。(5)をかけ、ピーナッツと香菜を散らす。
栗原心平(くりはら・しんぺい)1978年静岡県生まれ、神奈川県育ち。幼い頃から得意だった料理の腕を生かし、「ごちそうさまを通じて家族を幸せにする」をモットーにさまざまなレシピを提案。雑誌やテレビなどを中心に活動。著書多数。
小倉ヒラク(おぐら・ひらく)1983年東京都生まれ。早稲田大学で文化人類学を学ぶ。在学中に絵の勉強のためフランスへ留学。卒業後、企業へ入社するも独立。東京農業大学で研究生として発酵学を学んだのち、山梨県甲州市の山の上に「発酵ラボ」をつくり、日々菌を育てながら微生物 の世界を探求している。東京・下北沢「発酵デパートメント」を主宰。 著書多数。最新刊に『僕たちは伝統とどう生きるか』(講談社現代新書)がある。
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