きじま家三代、旬のおかずレシピ(4)前編 親子三代にわたる料理家、杵島直美(きじま なおみ)さんときじまりゅうたさん。本連載では、お二人の母であり、祖母である家庭料理研究家の第一人者、故・村上昭子さんの思い出とともに、長く愛されてきたきじま家のレシピをご紹介します。第4回は、杵島直美さんによる、夏野菜・なすを使った「なすの鍋しぎ」。昭子さんの代から変わらぬ味の秘訣を2日にわたってお届けします。
※村上昭子さんについては記事末尾でご紹介
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素揚げしたなすと、こっくりした肉みそが相性抜群なひと皿
杵島直美さん(以下直美)&きじまりゅうたさん(以下りゅうた) こんにちは!
りゅうた 梅雨入りしましたねえ。5月はもう夏!?という毎日だったのに、急に涼しくてびっくりだね。
直美 最近は涼しいけど、5月にいったん暑くなったからか、買い物してると夏野菜がおいしそうで!
りゅうた だから今月は「なす」なのか。確かになすの出番が増えたよね。初夏から秋まで、半年くらいなすを使ってる気がする。
直美 それもあるけど、昭子さんの思い出の料理といえば「なすの鍋しぎ」じゃない?なすって揚げて生姜醤油で食べるだけでもおいしいんだけど、やっぱり「鍋しぎ」は私が紹介したいと思って。
りゅうた うちの定番だね。豚肉を使うからメインのおかずにもなるし、とにかく素揚げしてから甘辛く味付けするって間違いなくおいしいよね。
直美 そうなのよ。
4月にりゅうたが紹介した「新じゃが」の回でも話したけど、素揚げして甘辛く煮るのが大好きなの。皆さん揚げ物を敬遠されるけど、あのおいしさは揚げないと出ないのよ。
りゅうた 確かに、忙しいときは少ない油で揚げ焼きにするのもいいんだけど、きちんと揚げると味わいや食感が良くなるよね。
直美 そう。今まで雑誌やテレビ番組で揚げずに作るレシピはたくさん紹介してきたけど、やっぱり揚げるとおいしいのよ。
村上家の玄関前にて。左から、きじまりゅうたさん、村上昭子さん、杵島直美さん。
りゅうた うんうん。昭子さんも晩年、もう危ないから揚げ物しないようにしていたとき、なすをレンチンして鍋しぎを作ってくれたことがあったよ。あれはびっくりした。レンチンとかする人じゃないと思ってたから。
直美 作ってあげたかったのよね。きっと揚げずに作る方法を昭子さんなりに考えたのよ。
りゅうた 忘れられないエピソードだね。それでは、直美さんのレシピのポイントを教えてもらおうかな。
【直美さんのひと工夫】
なすは揚げる直前に1cm厚さに切り、1分揚げて油をよく切る

なすは切って時間をおくと変色するため、揚げる直前に切ります。一緒にピーマンも揚げるのでピーマン、なすの順に切り、なすを揚げている途中でピーマンを加えるとスムーズ。あとで炒め煮にするので、揚げ時間は短めに。形がきちんと残り、軽やかに仕上がります。また、余計な油を切るために、揚げ網の上にキッチンペーパーを敷くのが直美さん流です。