〔特集〕食文化研究家 北村光世さん 87歳、健康長寿のオリーブオイル&ハーブレシピ 30年以上オリーブオイルとハーブを研究し続けてきた北村光世さん。87歳の現在もパワフルに活躍し続ける理由はどこにあるのか、その秘密をレシピとともにご紹介します。
光世流シンプルクッキング
ハーブの恵みでご馳走に
鎌倉にあるご自宅の庭を訪ねると、青々としたハーブがお出迎え。作り方はシンプルでも、ハーブでひと工夫を加えればご馳走に。活力を与えてくれる初夏にぴったりの料理をご紹介します。
香りと薬効、そして物語があるのがハーブの魅力
光世さんがハーブに出合ったのは、アメリカ留学中に食べたディルピクルス。その後、スペイン語の夏期留学で訪ねたメキシコでハーブを使った料理の虜になりました。帰国後もその味を再現しようとしますが、ハーブが容易に手に入らなかった時代。自宅でハーブを育て始めました。それから長年にわたり、ハーブの魅力を世に伝える先駆者として奮闘しています。
自宅の庭で採ったフレッシュなマーシュ、フェンネル、ローズマリーの花。園芸バサミで少しずつ手入れすることが日課。
地中海地域にはハーブ薬局があるほど、古くから薬としても使われてきたハーブ。「一つ一つにストーリーがあることも面白いのよ」と光世さんは話します。例えばローリエには「栄光」や「勝利」という意味があり、イタリアでは大学の卒業生がローリエの葉で作った冠を被って祝福される文化があるそう。ハーブが持つ物語を知れば、食事中の会話や料理を作る際のヒントになります。
いざ、ハーブを使って料理をしようと意気込んでも種類の多さに戸惑うかもしれません。「季節に沿ったハーブを自分好みに使うといいのよ。料理に不成功はないんだから」とアドバイス。リラックスして楽しみましょう。
【ローリエ】
祝福の意味もあるローリエはお祝いの席にもぴったり
【ローリエ】日本では古くから月桂樹という名前で育てられてきた。「栄光」や「勝利」の意味を持ち、地中海地域では、祝いの席や儀式によく用いられる。ドライハーブとして使われることが多いが、フレッシュな葉は爽やかな香りで、におい消しにもなる。
ハーブミートの挟み焼き
●材料(10個分)ローリエの葉…20枚
ハーブミート
A
豚赤身ひき肉…200グラム
パン粉…5グラム
パルミジャーノ・レッジャーノ(すりおろす)…大さじ2
セージ(みじん切り)…大さじ1
塩…小さじ1弱
エキストラバージンオリーブオイル…小さじ1
●作り方[1]Aをボウルに入れよく混ぜ、10等分する。
[2]ローリエの葉は洗って拭き、[1]をのせて形を整え、もう1枚の葉で挟み、縫うように楊枝でとめる。

[3]グリルか焼き網で、[2]の両面を葉が少し焦げるまで焼き、肉にしっかり火が通ったらローリエの葉を除いていただく。
【ディル】
オリーブオイルとコラトゥーラ(魚醬)をたっぷりつけて
【ディル】フェンネルと同じセリ科に分類され見た目も似ているが、ディルは涼しい気候を好むため、ドイツや北欧の料理に登場することが多い。独特な香りを持つディルシードはピクルスに入れるとピリッと辛く爽やかになる。魚や乳製品との相性もよい。
かつおの洋風たたき
●材料(4人分)かつお…1節
にんにく(すりおろす)…1かけ
エキストラバージンオリーブオイル…大さじ1弱
ディル(粗みじん)…大さじ2弱
塩…少々
ソース
エキストラバージンオリーブオイル…大さじ2
コラトゥーラ(魚醬または醬油)…少々
●作り方[1]かつおは水気を拭き取り、にんにくを全体にまぶしてオリーブオイルを塗り20分ほどおく。
[2][1]にディルと塩をまぶし、全体を手で押さえる。
[3]フライパンを熱し、オリーブオイル(分量外)を薄くのばし、[2]をのせる。2分ほどで焼き目がついたらほかの面も同様に焼き、全体に焼き目がついたら、すぐに冷蔵庫などでさっと冷ます。
[4]包丁を濡らすかオリーブオイル(分量外)を軽く塗るなどし、[3]を好みの厚さに切る。小さい器に、ソースの材料のオリーブオイルを入れ、真ん中にコラトゥーラを垂らしてソースを作る。底のコラトゥーラをぬぐうようにしてかつおにつけていただく。
【ローズマリー】
豚肉、牛乳、ローズマリーシンプル料理でも深みのある味に驚く
【ローズマリー】常緑樹のため、一年を通してフレッシュな葉を使いやすい。イタリアでは石造物の近くに植えることが多い。気温が下がる夜も、日中に太陽熱で温められた石が寒さから守ってくれるから。血液の循環や脳の活性化にも役立つとされる。
ボローニャ風豚肉のミルク煮
●材料(2~3人分)豚肉肩ロース(かたまりをたこ糸で巻く)…約400グラム
牛乳…約3カップ‘(鍋の大きさによる)
塩…約小さじ¼
ローズマリー…5~6センチを2~3本
エキストラバージンオリーブオイル…適量
●作り方[1]豚肉がちょうど入る大きさの中鍋(細めで深めが望ましい)を温めオリーブオイルを入れ、豚肉の表面を焼いた後、塩を全体にかける。
[2]肉の高さの8分目まで鍋肌から牛乳を注ぎ、ローズマリーを入れてふたをして中火にかける。ぐつぐつしてきたら吹きこぼれないように火力を調節し、焦げつかないように1時間半ほど煮る。鍋肌に牛乳のかたまりができたらゴムべらなどでつぶして煮汁に戻し、お好みで塩(分量外)を加えてソースを作る。肉に串を刺してスーッと通り、赤い汁が出なければ肉を取り出して冷ます。

[3]冷めたらたこ糸を外し、くずれないように好みの厚さに切る(熱いうちに切ると肉がくずれやすい)。
[4]煮汁の表面に黄色い脂が浮いていたら取り除く。[3]を鍋に戻して肉の中心まで温まったら器に入れソースをかける。パスタ皿のような、少し深さのある器がおすすめ。
【セージとローズマリー】
新芽のハーブと柔らかな新いかのハーモニー
【ローズマリー】常緑樹のため、一年を通してフレッシュな葉を使いやすい。イタリアでは石造物の近くに植えることが多い。気温が下がる夜も、日中に太陽熱で温められた石が寒さから守ってくれるから。血液の循環や脳の活性化にも役立つとされる
いかのマリネ
●材料(2人分)小さいいか(胴の長さ15センチ程度)…5はい
マリネ液
玉ねぎ(縦の薄切り)…¼個
エキストラバージンオリーブオイル…大さじ1½
にんにく(8等分にする)…小½かけ
ローズマリーとセージ…各2本(枝先10センチ)
タラゴンビネガー(または米酢)…大さじ1¼
水…大さじ2
塩…小さじ¼
こしょう…少々
●作り方[1]いかは軟骨とわたを除き、足を抜く。全体を洗い、酢少々(分量外)を入れた熱湯でゆで、水気をきる。
[2]マリネ液を作る。フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れて中火にかける。にんにくが色づく前に玉ねぎを加えて炒め、玉ねぎが透き通ったら残りのすべての材料を加えて煮る。沸騰後2分ほどで火を止める。
[3]アルミ製以外のバットかボウルに[1]を入れ、[2]を熱いまま加える。ときどき上下を返しながら3時間ほどおいて味をなじませる。
(次回へ続く。)
「セブンアカデミー」特別講座 北村光世さん オリーブオイル&ハーブがもたらす健康長寿暮らし
本特集と連動し、北村光世さんによるトークイベントを開催します。87歳の元気で心豊かなライフスタイル、ハーブやオリーブオイルの活用法などたっぷりとお話しいただきます。
日時:2026年6月25日(木)11時~12時30分
料金:7700円(オリーブオイル250mlのお土産付き)
会場:セブンアカデミー(東京・市ヶ谷)
お申し込みは
ウェブサイト、もしくはお電話で。
セブンアカデミー事務局
TEL:03(6697)0771(10時~17時)
※4月30日~5月6日と、土曜・日曜・祝日を除く